ライオンの詩 ~sing's word & diary 2

~永遠に生きるつもりで僕は生きる~by sing 1.26.2012

シアワセノカタチ。3

2014-10-03 00:10:14 | Weblog
んで、売店の話。じゃなくて、入院中の話。

で、売店の話。

初めて売店に行った時は、病院の車椅子に乗せてもらって、コロコロと押してもらって行った。
なぜなら、僕は右腕が使えない状態なので、自分では車椅子を動かせなかったから。

病棟から売店への道は、山あり谷あり。エレベーターあり、外来の患者さんの群れあり、色々な科の前を通って、角を何回も曲がって・・・こんなに遠いのか!という、病院の端っこの端っこに売店はある。

この病院って、すげぇ広いんだなぁ・・・と、その時は思った。
元気になって、歩き回れるようになってからは、この病院って、まぁまぁ広いんだなぁ・・・に変わったけどね。

車椅子をコロコロと押してもらって売店に着いた頃、僕のHPは底をついていた。もうグッタリ。

車椅子に乗って、キョロキョロしながらワクワクと出発した。なんといっても、初車椅子。
ただ乗っかって押されているだけなのに、着いた頃にはもうグッタリ。

ちょこっとだけ売店を見て、ほとんど見てなくて、もう帰った方がいいかも・・・と言って、ヨーグルトを一個だけ買って帰った。

顔面蒼白だったらしい。疲れちゃったんだね。弱ってたんだなぁ・・・としみじみ想う。

ていうかね、この章、シアワセノカタチ、売店の話ではない。なんでか、売店の話になってしまってる。

ある土曜日、売店の前の長椅子に座って暇を潰していると・・・っていう始まりに、売店って言葉が出て来ちゃったから、売店の話になっちゃったんだね。

つづく。

シアワセノカタチ。2

2014-10-02 17:07:26 | Weblog
入院中の話。

やっと、自分で歩いて売店へ行けるようになった頃の話。

ある土曜日。

ベッドに寝転んでばかりいても飽きる。ベッドに寝転んでばかりいると眠ってしまう。
眠ってしまうと困る。昼間に眠ると夜に眠れなくなる。困る。困る。
でも、ベッドに寝転んでばかりいると、眠る。困る。

そんなわけで出歩く。出歩くしかない。
手術が終わったばかりで、感染症の心配があるため、出歩くのはまぁまぁ禁止されている。禁止されても困るので、こっそりと出歩く。
でも、ゆっくりしか歩けないので、こっそりとのそのそとぼとぼと、ナースステーションの前を横切って出歩く。

行く先は、売店。売店しか、行くところがない。病院だから。

まだちょっとしか歩けない時、勝手に出歩くと看護師さんに怒られるので、看護師さんに言ってみた。

車椅子に乗って、売店へ行って来てもいいですか?

看護師さんは、「ダメです!」と食い気味に言う。

負けずに僕は言う。

車椅子に乗って、押してもらって売店へ行って来てもいいですか?

看護師さんは、呆れた表情でこう言う。
「欲しいものがあるなら、売店で買って来てもらえばいいじゃない?」

僕は、ちがーう!という意味を込めてこう言う。

「何かが欲しいんじゃなくて、売店へ行ってみたいんですってば!」

かなり食い下がったのだけれど、看護師さんは、僕の売店行きを許可してくれなかったのだ。

なんてこった。

こうして、僕にとって、売店は「夢の場所」となっていったのである。

ある土曜日の話はどこへ行った?

つづく。

シアワセノカタチ。

2014-10-02 16:55:56 | Weblog
入院中の話。

隣のベッドの関口さんと、温泉の話になった。
出歩けるようになったら、ここら辺の温泉に入ってみたいなぁ・・・的な。

そこで、温泉博士のこーかたにーさんにメールをした。

とりあえず、事故りまして重傷を負いましたっていう軽い説明と、「浦佐近辺でいい温泉ありますか?」という質問と。

しばらくして、返信があり、いくつかの温泉の情報が届いた。
浦佐だったらどこどこの温泉旅館がいくらでそこのお湯はまぁまぁとか、隣町の六日町だったらどこどこの共同浴場がいくらでお湯は良いとか。

隣のベッドの関口さんに、その情報を披露すると、「よく知ってますねぇ」と唸っていた。
地元の人をも唸らせるこーかたにーさん、恐るべし。

僕は自慢げに言う。

「この人、北海道で会ったんですけどね、僕の尊敬する人なんですけどね、日本中、津々浦々まで知ってるんですよ。半端じゃないんですよ、底が知れないんですよ」とね。

つづく。