妻の実母は今年89歳になる
大変お元気だ
久し振りに帰省した妻に会ってとても喜び、実姉夫婦も合流して食事へ行った
5人の年齢を合計したらとんでもない数になるだろうが、計算は敢えてしなかった
女三人寄れば姦しい
後部座席に座った母娘の会話は底無しつるべで水を汲む如く尽きない
否、賑やかである
この状況は家に帰った後から翌日のお昼まで続いた
翌日の朝食の後の噺は実母の昔噺
実母が子供の頃に見聞きした実母の祖父母が登場する
戦争前後の時代のお噺だから傍らで聞いている私にも耳新しい
その噺は断片的ながら、まるで映画の様な内容だった
妻も「映画みたい」と絶賛していた
この辛い時代を生き抜いた方達は皆、お元気だ
勿論、寄る歳並みで身体が弱っているようだが、キリッとした精神は今でも変わらない
我慢強く大病を患っても、「大した事無いから大丈夫」だと言いながら亡くなっていった妻の祖父や父も、我慢強い性格だった様だ
特に妻の祖母は気性が強く親分肌で竹を割った性格だった
お金に執着せず、負けん気が強いが困った人には出来るだけの援助を惜しみなく行っていた
実母は「母は貧乏でお金に縁がないから仕方が無い」と言いながら、終戦後の苦しい時代に困っている人へ手を差し伸べ続けたという
こういった貴重な噺は、こうして語り継がれてゆくのだが、おそらくは内容は忘れ去られ、受け継いだ者が噺の中から学んだ部分を言葉を変えて後世へと語り継ぐのであろう
インスタやツイッター、フェイスブックも良いが、最も身近な人から受け継ぐ大切さを目の当たりにした