品質偽装

天然資源は何処でもあるというものではない

神の恵みと言って良い位、奇跡的にその地にもたらされた特典と言っても良いものなのだが、高度成長時代にどの産地もピークを迎えその後は国内の需要の下降に伴って産出量も減少しているのが一般的である

天然資源は文字通り地球誕生の時から長い時間を経て出来上がったものなので品質は一定では無い

しかし需要は一定の品質を求めるので、平均化するなどの工夫を行って安定化を図っているのが通常である

採掘技術の高度化に至る前は人力に頼るところが大きいので地層を目聡く採掘する能力が必要で、所謂良品ばかりを選んで採掘していた

しかしそれでは採掘量が少ないので機械を導入した大がかりな採掘に変わって行くと、良質な地層ばかり採掘する訳にはいかないので良いところも悪いところも一緒になってしまう

もう少し判りやすくいうと、マグロを解体する場合、包丁で部署毎に分けるのは時間も技術も必要なので大雑把に３枚に下ろしてミンチにする様なものである

それでも、トロの近くは高嶺になるので、大雑把にトロの近くと赤身に分ける様になる

しかし、トロの部分も限りが有るので、現在は殆どトロの部分が無く、赤身だけどころか今までは食べなかった骨に近い部分まで混ざるようになった為に、昔と比べると全体の本質が低下しているのである


前説はこれ位にして、ある天然資源採掘に関係する会社の社長に話を伺った

高度成長時代を経験してバブル崩壊する頃、需要が激減すると共にトロの部分も少なくなってきていた

だが、需要は相変わらずトロの部分が含まれた資源を要求してくる、それも価格は同じかもっと安くという厳しい要求

そこで考えたのがトロの部分が無い赤身の部分にトロに含まれる脂成分を添加して品質データを偽装する事だった

それしか当時は品質と価格に対応する事が出来なかったのだろう

その偽装を長きに渡り続けてきたのだが、赤身さえも不足する状態になり品質が低下する事態に陥ってしまった

品質の低下による不良が発生したユーザーは調査に乗り出して、今回の品質偽装が発覚するに至ったのである


ユーザーが品質が一定以上であることを金科玉条にしていた為の裏返しの結末となったが、大きな原因の一つはユーザーの無理難題があると思う

天然資源である事を承知した上で、聞く耳を持ち、一緒に打開してゆく関係さえあればこの様な偽装には至らなかったに違いない

こういった品質の偽装は世の中に沢山有ると思う

悪じじい

先週末は得意先のゴルフコンペがあった

得意先と言っても我が社とビジネスパートナーの関係が強い会社である

その会社のお客様を招いて行うゴルフコンペを地元のゴルフ場で毎年開催している

勿論、遠方からのお客様は前泊、後泊する方もいる


得意先の担当者とは仲が良いので公私ともにお付き合いをして頂いている

多少の無理を言ったり、聞いたりする程良い距離は良好なビジネス関係だと考えている

その、担当者からメールがきた

ゴルフで来場するお客様の中で麻雀好きな方がいて、ゴルフ終了後に麻雀がしたいので参加して欲しいと言う内容

麻雀は嫌いでは無いのでお受けする約束をしていた


先週の初めにその得意先の社長から電話があり、実は予定していた麻雀会場であるゴルフ場のロッジが使えなくなった

四方の麻雀荘を探したのだが、胡散臭い場所が多く、安心して接待できない

ホテルも探したが今時、そういった設備は無いそうだ

以前、私の家に招いて麻雀をしたことがあるのを思い出して社長は打診してきたのだ

今は長女と孫の家族と同居しているので、その時とは環境が違うと伝えたのだが是非ともと社長から頼まれた

仕方なく、家族会議に掛けた所、長女は仕方なく婿の実家と次女の家へ遊びに行くと言ってくれた

本当に酷いじじいである

当然妻は怒っているが、何も構わないという条件付きで仕方が無く了解してくれた


お客様は大変喜んで、社長と担当者からも感謝して頂いたが、払った代償が大きいと自戒している

どうしてもと頼まれると断れない情けない性格が恨めしいが、我が家を選んで頂いたのも嬉しい

しかし、お客様から「こんな素晴らし麻雀部屋がある事が羨ましい」と言われ辛い気持ちになった

仕事の為にプライベートまで差し出して何になるの？と言われた言葉が重なった

本当に悪じじいである

母の悲しみ

実力派女優の長男が起こした性的暴行事件について、妻は何時になく怒っていた

女手一つで一生懸命に育てた長男が自分の後ろ姿を見て俳優業を選んでくれた時にはどんなに嬉しかったのであろうか

折角、順調にスタートを切れたと喜んでいた矢先の事件に母の悲しみは大きいと妻も同情している

しかし、妻はたまたま見掛けたテレビのバラエティー番組で親子が共演した時、親バカ振りを感じていたらしく、ある意味自業自得だとも言う

親の子に対する愛情は悪いところを覆い尽くす程の力がある

それ故親バカと言われるのであるが、これは元々持っているものである

子が成長して社会に出た時には自らの責任で生きて行かねばならない為、親の愛情も時には仇になることもある

大物政治家だって６０歳を過ぎ、大臣になる身分であっても親から毎月高額の小遣いを貰っていたと報じられたことがあったが、親にとっては子がどのような人間になったのかが問われてしまうものなのである


矛盾するような事を書いているので整理すれば

社会に出るまでは親の責任が重い

人間として社会で自らの力で生きて行けるだけの考え方や基礎を作ってやる義務がある

だが、一端社会に出たからには自らの力で生きて行く術を身につけ、新たな家庭を築き、子をもうけて今度は親として子に繋げて行くのである


片親だとか貧困だとかという状況は人それぞれで、それは理由にならない

家族だけが知っている環境の中で行って行く大切な行為なのである

そんなことを知らずに、自覚もしていない者が親になるから子に悲劇が起きる

まさか家の子に限ってと言う前に、今までどう接してきたのかを自ら反省すべきなのである


台風で増水するであろう河川敷に埋めて轢死させる行為を平気でやれてしまう子供達は、どうしてそんな大変な事を平気で行えたのか

子が起こす事件で母は悲しむのである

２チャンネル創業者

気になるテレビを録画して観るようにしているがそれでも中々観る時間が無く後回しになってしまう

昨夜、撮り置いた橋下＆羽鳥の番組を観たら２チャンネル創業者の西村博之氏が出演されていた

２チャンネルと聞くと余り良い印象を持たなかった私は、どうせ胡散臭い若造だと思って観ていた


内容によっては理解出来ない事もあったが、大変頭が良い若者だと感じた

一緒に観ていた妻は、周りを冷静に観られる子ね、と褒めていた


社会通常観念で観がちな毎日において、西村氏の意見はある意味特異であった

教育は親が基本で有り、その後に学校や塾があるという考え方は私の持論と同じ

残念ながらまともに教育を受けられなかった子供が成人してしまった後は、自らの力で力をつけなければ生きて行けないという点についても全く同じである

その点に付いて政治家は教育制度が悪いと片付けてしまうが、本当に真摯に向き合うと子供とその将来だけを観れば良い筈である

自分が学ぶことから逃げてきた子供が親になり、自らの経験を子供に押しつけてしまうことの恐ろしさを顧みなければならない


話が逸れてしまったが、全体をオブラートで包んでハッキリものが言えない状況が多い中、これだけ整理して意見を述べることが出来るのも驚いた

歳を重ねると自然に最近の若い者はと口をついて出てしまうのは、頭が固くなり自惚れてきているせいでは無いかと自戒することがある

どの世代にも良い人と悪い人はいるのに、どうしても若者全体がそう思えてしまうのは年寄りの偏見である


とても刺激がある番組でした

台風について

連続して３つの台風に見舞われた北海道の被害は報道される度にその大きさに驚き言葉も無いが、流された農地や浸水した家屋に住まわれる住民の方々にとってはやり場の無い怒りと悲しみに溢れているとご推察申し上げている

被災者の皆様にはこの状況を乗り越えていただきたいと思う一方で、国を始め行政の支援を強く希望し、一日も早い復旧に向かうよう望んでいる


丁度、東京にいた私もその降雨の多さに驚いていた

訪問した工場の前の道は川になり、ゴミ袋が流れて行く光景を目の当たりにした

工場の責任者の方のお話しによると、この様な光景は就任以来３度目であるといい、もう少し集中して降っていたら恐らく工場内にも水が入ってきただろうと話されていた

責任者の方々は前日の日曜に工場に来て、浸水しやすい場所に土嚢を積み備えたという

この様な日に訪問させて頂いたことを悔やんだが、返って貴重な経験をさせて頂いたと考えている


テレビの天気解説では台風は北に上がる習性があるが、同時に右に逸れるのだそうな

しかし、今回の３つの台風は右に逸れること無く北上し、いずれも北海道を直撃している

その点に付いては何故だか判らない


ＦＢを観ていたらＮＡＳＡが発表した地球の海流を映像にしたものが公開されていた

それを観ると海流は陸地近くに多く起こっている事が判る

広い太平洋の赤道上には殆ど海流は無かったので、この辺りの海水が上昇することで低気圧が発生し成長すると台風になる

北半球では台風は左巻きで渦が出来、中心に向かって風が吹く

オリンピックの閉会式の時には１９６０年にも同じ５個の台風が発生したと言い、五輪を象徴していると嬉しくも無い情報もあったが、今に始まったことでは無いとすれば温暖化の原因では無いという事か

天候を観測する技術が発達しても、予測する事が出来ないのは、人間の力が自然には未だに及ばない事を物語っている