奇跡の裏側

最近、テレビ番組やニュース、ネット動画で奇跡のような出来事について報じているのを見る度に心が痛くなる

最近も中国で少年が崖から落ちたのだが、運良く木に引っかかり、救出したというのが報じられたのだが

実際にこうして助かった事例を奇跡として取り上げているだけであって、不幸にも助からなかった事例の方が遙かに多いのだが、ニュース等では一切報じられていない


よく安全大会の講演の中でハインリッヒの法則というのが出てくる

１対２９対３００

１件の重大災害の発生の裏には２９件の小さな災害が発生していて、更にその裏には３００件のヒヤリとした事が起きているという考え方である

これを引用すると、奇跡の裏側にはいかに多くの哀しい事故があるということである


奇跡は喜ばしい結末であるが、哀しい結末とは隣り合わせである事を忘れてはならないし、哀しい結末の方が遙かに多い事も知らなければならないと思うのだが、奇跡の番組はその事には触れていない

本当に求めなければならないのは、哀しい結末を減らす事である筈なのだが、この大切な部分を忘れているような気がしてならない

有名税

芸能人やスポーツ選手として活躍して世間から注目を集めると何故かその家族までテレビに登場したりするのは今に始まった事では無い

有名になった本人の性格や生い立ちに至るコメントは本人以外の家族に向けられる事が多い

あのイチローの実父チチローさんも講演会の講師として全国を飛び歩いていたほどである

反面、本人が世間から注目される事は仕方ないとしても、家族が公に晒されるのは困るとして一切の接触を拒否している人達もいる

正に公人と私人の境目が薄らいだ日本の報道の問題点だと思う

世間から忠告される存在になることは容易ではない

努力を重ねてきた人であるからこそ世間から注目を集める事が出来るのだが、例え本人が望まなくてもそうなってしまうのが世間なのである

これを昔は有名税と呼んでいた


家族がプライバシーを叫んでも防ぎようが無い現状では、やはり公人と同じ心持ちで世間と接する必要があると思う

それだけ世間に対して影響が大きいということを望むと望まないにしても受け止めなければならないということである

今、世間を騒がせている問題についても、有名税を払っている人達に対して忖度するのは当然である

それを公人だ私人だと今更言い訳のようにするのはおかしな事だ

そんな事は今更言うことも恥ずかしいと捉えられても良い事なのに、誰もハッキリと言わないのは、やはりトップの意向を忖度しているから言わないということだろう

税には逆らえませんよ

飲み過ぎだ

実家に帰ってきている長女は、相変わらずつわりで食事が細い

当然、酒や刺激物などは控えている

断乳してから妊娠が判るまでは人が変わったように呑んでいたのに、母の身体は必要に駆られて正直なようだ


週末には少し早いが次女が子供を連れて帰って来た

子供が春休みになったのと、長女と子供が実家に居るのを羨ましく思ったのか、旦那の許可を得て帰ってきたようだ

会社で仕事をしていると携帯が鳴るので出てみると次女であった

家ではもう夕食の時間のようで、次女は一足先に一杯呑んでいる様だ

長女の苦しみを考えると、その横でグビグビ呑むのも何だと思うのだが、冷蔵庫にある缶ものは全て平らげたとのことで、帰りにビールを買って来いというのだ

全く、実家は居酒屋では無いのだよと言ってはみたものの、帰りにコンビニに寄らなければならなくなった


４月から社会復帰する次女は当然第３子の事は気を遣っていると思う

本当は、あと１人欲しいようだが、家庭の事を考えるとタイミングを計らねばならないのだろう

その腹いせなのかもしれないが、本当によく呑む

明日は接待が待っているので、今日は酒を控えようと密かに考えていたのだが、次女の晩酌に付き合わされそうである


昨夜、経済団体の会合へ出掛けた時、久し振りに会った食品関係の社長が水分痩せていたので、どうしたのか訊ねると２月に一ヶ月余り入院していたそうな

体調不良だったので、健診を総合病院で健診を受けると、即入院となり、現在でも様子を観察している段階のようである

大食漢で大柄な輩だったが、如何に過度に摂取していたか彼を観れば一目瞭然である

身体の事を考えると飲み過ぎは駄目である

サプライズでした

春休みになったので長女家族が家に戻ってきた

相変わらず婿は単身赴任が続いているので、春休み中は実家にでも戻ってこないと手が足りないのだ

妻が遠路電車で家まで行き、荷物を積むのを手伝ってから交互に運転して帰ってきた

まあ、これも仕方の無いことである


先週の金曜日、仕事から帰ってくると妻がサプライズがあると意味深な態度

長女が口にした言葉に２度驚いた

婿の実家から戻ってきたばかりなのだが、気分が優れないので病院へいって検査したところ妊娠している事が判明したという

ビックリ！それはお目出度いことである

更に長女は続けて双子だったと言い放った

２重の驚きである！


長男、長女と産んで下が今年３歳になろうという時に二卵性の双子を授かったとは

一気に４人の子持ちになるということだ

長女はつわりが酷く、子供の相手が出来ない程、具合が悪いので帰ってきて丁度良かった

来月から新年度が始まるが、幼稚園は暫くお休みしてでも安定期を迎えるまではここに居なさいと助言した


久し振りに驚いて心臓がバクバクいっている

サプライズとはこういう事なんだね

ＢＧＭは山下達郎

妻と結婚した当時から幾度となく通った高速道路

出産のために実家へ帰っている時、娘が産まれた時、娘を連れて妻の実家へ帰る時

数え切れない回数を通った道

いつものＢＧＭは山下達郎であった

しかし、今はもっと便利なルートが出来たのでこの道は通らなくなっていた


今回はその道沿いにある町へ行く事になり、久し振りにその道を走った

周囲の景色も大きくは変わっていない

懐かしくなり、ＢＧＭをその当時よく聴いていた山下達郎に変更した


景色と音楽によって昔のことが思い出されてくる

長女が産まれた時の事、妻の祖父が亡くなって急いで実家へ帰った時のことなどなど

景色と曲が変わる度にページをめくるように記憶が蘇った

目的地に到着するまでの短い時間であったが、懐かしく幸せな気持ちで走ることが出来た


つらつら考えて見ると、平素は山下達郎は余り聴かなくなっていた

たまに気が向いて聴いてはみるが１曲程度で止めてしまっていた

それが、今日はアルバム丸ごと聴いても足りないほどだった


音楽の記憶は時代を反映していると言われるがその通りで、更にその記憶の場所に来ると鮮明になる

あの道を通る時のＢＧＭは山下篤郎に限る