自宅に籠って、ゆったりと時間を過ごす人を「巣ごもり族」と称するようです。“引き篭もり”とは違います。
長期休暇でも家族旅行などせず、自宅で出来ることで余暇を楽しむ家族を「巣ごもり家族」、終業後は自宅に直帰して楽なファッションで過ごす単身者を「巣ごもりシングル」、などとも言うようです。
その形態は異なっていても、余暇の大半を自宅で過ごすスタイルは共通しています。
長い不況の結果なのか、或いは家にいて大半のことができるようになったIT社会の現象なのか、などと今新たに生み出されたライフスタイルではないかと捉える向きもあるようです。
しかし、私の年代の者にとってみれば、幼少のころから、ごく普通のことであり、買い物や親戚・知人を訪問するなどの必要性が無い限り、自宅で何をするとはなく過ごしていたと思います。
寸暇を惜しんで外出し、人との交流の場を求めたり、長期休暇には国内、海外を問わず旅行したりするのが一般的とされるようになったのは、昭和50年代後半(1980年代以降)からではないかと思います。
この頃から、余暇がありながら自宅で過ごすのが主だと言えば、変わり者扱いされるようになったのではないでしょうか。
仕事が終わるとそのまま帰宅し、好きな本を読み、TVやDVDを観、CDで音楽を聴き、時には何もせずにぼんやりと考え事をするなど、所謂『自宅でゴロゴロする』のが“至福の時間”と思っているのです。
とはいえ、外出や人との交流を嫌っている訳ではありません。不必要に、無闇にしたくないだけなのです。特に人との交流は長続きさせたいので、必要最小限にしておきたいのです。
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『巣ごもり家族』には“お茶の間”があります。
必要な時には、アウトドアも楽しみます。
『巣ごもり』は『引き篭もり』とは違い、あらゆるライフスタイルのベースではないでしょうか。