スケルトンハウス‐きまぐれCafe

生活とビジネス

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マイナンバー付与開始 まもなく!

2015-06-13 08:18:41 | 社会・経済

 今秋、日本で住民登録している人(赤ちゃんから年寄まで)一人ひとりに割り振ったマイナンバーという12桁の番号を知らせるカードが、役所(市区町村)からそれぞれの住民票登録住所地に送達されます。

 マイナンバーは、2016年1月から、社会保障、税、災害対策等の行政手続きで利用されることとなっています。

 10月に送達される「通知カード」には基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)及び12桁のナンバー(マイナンバー)が記載されています。

<通知カード イメージ>

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 写真つきの「個人番号カード」を必要とする方は、同封されている申請書を役所に郵送などで提出し、2016年1月から役所の窓口で交付を受けることができます。
 「番号通知カード」は紙製ですが、「個人番号カード」は、ICチップのついたプラスチックカードです。表面に基本4情報(氏名、住所、生年月日、性別)と顔写真、裏面にマイナンバー(個人番号)が記載されます。本人確認のための身分証明書として使用できるほか、図書館カードや印鑑登録証など自治体等が条例で定めるサービスに利用でき、またe-Tax等の電子申請等が行える電子証明書も標準搭載されます。(住民基本台帳カードと同様)

<個人番号カード見本>

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 「個人番号カード」発行手数料は、初回発行に限り無料となる予定です。
 参考までに、従来発行されていた「住民基本台帳カード」は500円でした。この「住民基本台帳カード」は、マイナンバー導入後の2016年以降、新規発行されません。
 個人番号カードの有効期間は、20歳以上が10年間(初回は10年目の誕生日)。容姿の変貌が大きいと見込まれる20歳未満は5年間(初回は5年目の誕生日)です。必要なら期限到来時に手続きをすれば更新できます。

 また会社や団体等勤務者には、暫くすると会社或いは団体等からマイナンバーを届け出るよう求められます。これは、従業員の源泉徴収票など所得を証明する書類にマイナンバーの記載が義務付けられているからです。

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 なお、企業に対しては個人用のマイナンバーとは異なる『法人番号』が通知されます。法人番号は数字のみで構成される13桁の番号になります。会社法等の法令の規定により設立登記をした法人(設立登記法人)の場合は、商業登記法に基づく会社法人等番号(12桁)の前に1桁の検査用数字を加えた番号になります。
 法人番号は、①国の機関」②地方公共団体、③設立登記法人、④①~③以外の法人又は人格のない社団等で、所得税法第230条に規定する「給与支払事務所等の開設届出書」など、国税に関する法律に規定する届出書を提出することとされているものに対して指定されます。

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 マイナンバーとは、正式には「社会保障・税番号」といいます。
 法律は、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」(マイナンバー法)といいます。

 「住民一人ひとりの」情報は今現在、各役所の縦割り組織の中で個別に管理されていて、横断的に共有されることはありません。
 しかし、2017年以降、特に同年7月以降は国も含め、各役所で管理されていた情報が12桁のマイナンバーで結び付けられ、役所同士で情報を共有するようになります。

 政府の狙い(マイナンバー制の根っこにある目的)は、税を効率よく・漏れなく集め、社会保障の対象者を絞り込んで給付を節減することが大きなターゲットであると言えます。更に2018年以降は、預貯金口座をはじめとする資産にマイナンバーを結び付け、この効果の最大化を狙っていると思われます。

 国が国民及び住民登録している在住者を特定する個人番号制には、今でも反対論が根強いが、この反対を押し切って導入に至った経緯としては、2009年の民主党政権下で導入の議論が加速され、2013年の安倍政権下において法律が成立しました。

 国が掲げる導入メリットは、
(1) 行政の効率化
 国や自治体が行っている情報の入力や照合に要している時間・労力が大幅に削減され、正確に行えるようになる。
(2) 国民の利便性の向上
 ・各種手続き書類への添付書類の削減など行政手続きが効率化され、国民の負担が軽減される。
 ・情報の確認や提供など、コンピュータの記録開示システムによるサービスが利用できるようになる。
(3) 公平・公正な社会の実現
 脱税や不正受給などを防止するとともに、本当に必要な人にきめ細かな支援を行える。

 国や自治体はメリットを声高に掲げていますが、一方で国民のメリットははっきりとは見えてきません。
 プライバシーの侵害や情報の悪用が起きたりする危険も孕んでいるし、制度導入にあたって利用範囲が制限されているものの、これは導入への詭弁として、いつなんどき、利用範囲が広げられるか知れない危惧も孕んでいます。

 この制度導入による効果の不達成や、危険、危惧などを羅列しても、法律が成立してしまってはどうしようもありません。後は掛け値なしに運用されているか否かを観察し、政権与党及び導入に賛成した野党およびこれらを支持した人々の評価に繋いでいくよう、次の選挙で反映していくことが、国民に求められることだと思います。


【関係法令】

 ○ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(マイナンバー法)

 ○ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令(マイナンバー法施行令)

 ○ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則(マイナンバー法施行規則)


【関係サイト】

 ○ 内閣官房 マイナンバー

 ○ 内閣府 マイナンバー広報資料

 ○ 厚生労働省HP 社会保障・税番号制度(社会保障分野)

 ○ 国税庁HP 社会保障・税番号制度<マイナンバー>


【 朝日新聞 特集記 「教えて!? マイナンバー」 】

 ①5月13日  ②5月14日  ③5月15日  ④5月16日  ⑤5月20日  ⑥5月21日  ⑦5月22日  ⑧5月23日







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