「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が、参院本会議で、全会一致で2019年6月4日に可決しました。予定では2022年4月1日から施行です。
新プラスチック法とはどの様な法律でしょうか。
海洋プラスチックごみ問題・気候変動問題・諸外国の廃棄物輸入規制強化などへの対応を契機として、国内におけるプラスチック資源循環を一層促進する重要性が高まっています。
そこで政府は、プラスチック使用製品の設計から廃棄物処理に至るまでのライフサイクル全般で、あらゆる主体における包括的なプラスチック資源循環の取り組み「3R+Renewable」を促進する措置を講じます。 有料化などの具体的施策は今後省令など定める予定です。
同法律案の概要は以下の5点の通りです。この法律は、従来のように単に利用者を取り締まるのではなく、製造業者を取り締まるものとして、注目されています。
1. プラスチック使用製品設計指針
製造事業者などが努めるべき環境配慮設計に関する指針を策定し、指針に適合した製品であることを主務大臣が認定する仕組みを設ける。国は認定製品を率先して調達する(グリーン購入法上の配慮)とともに、認定製品の調達や使用を促進する。
2. 特定プラスチック使用製品の使用合理化
特定プラスチック使用製品(商品販売やサービス提供に付随して消費者に無償提供されるプラスチック使用製品)の提供事業者(小売・サービス事業者など)がプラスチック使用製品廃棄物の排出抑制のために取り組むべき判断基準を策定し、使用合理化を求める措置を講じる。例えば、プラスチック製のスプーンやストローなどの削減を求めたり、代替素材に切り替えたりすることを、使い捨てプラを多く提供する事業者に求める。これらの製品の有料化も検討していくとしている。なお、勧告・公表・命令に従わない事業者には50万円以下の罰金が科される。
3.市町村の分別収集・再商品化
容器包装再商品化法の仕組みを活用したプラスチック使用製品廃棄物の再商品化などにより、市町村および再商品化事業者が効率的に再商品化する仕組みを導入する。これにより、ペットボトルや食品トレー以外の文房具や玩具などのプラ製品の分別収集も促す。
4. 製造・販売事業者などによる自主回収および再資源化
自ら製造・販売したプラスチック使用製品が使用済みとなったものについて、製造事業者などの自主回収・再資源化事業計画を国が認定することで、廃棄物処理法の規定による許可を受けずに再資源化できる仕組みを構築する。
5. 排出事業者の排出抑制および再資源化など
排出事業者が排出抑制や再資源化などの促進のために取り組むべき判断基準を策定する。排出事業者などの再資源化事業計画を国が認定することで、廃棄物処理法の規定による許可を受けずに再資源化できる仕組みを構築する。
【参考】
議案情報(第204回国会)
【プレスリリース】 プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案」が閣議決定されました(経済産業省)
プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案の閣議決定について(環境省)
【参照サイト】プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律案の概要
グリーン購入法について
容器包装リサイクル法とは