九月十六日(火)晴れ。
随分と秋が深まってきた。昼間は汗ばむが、朝晩は半袖では寒いくらいだ。昨日も、寒くもなく、暑くもなくと感じられるものということで「おでん」を作った。まあ時間だけはたっぷりあるので、大根もお米のとぎ汁で煮てから出汁の中に入れた。「おでん」と言えば、昨年カメちゃんから業務用の「おでん」鍋を頂いた。暮や正月には来客が多いので、その鍋を使って「おでん大会」でも開催しようと思っている。
私は、いわゆる「練り物」が好きで、一時は、美味しいと聞くと、すぐに取り寄せていた。しかし、その「練り物」も、軽くあぶって生姜醤油で食べて美味しいものと、おでんに入れて美味しいものと別れるような気がする。両方美味しいと言う物はまれである。例えば「紅生姜天」や「チーズ巻」、「餃子巻」などは「おでん」に不向きだし、焼いて食べた方が断然おいしい。
狭い範囲の話で恐縮だが、私の事務所の途中にほとんどシャッター商店街となった「中村橋商店街」があって、そこの豆腐屋で作る「もやし揚げ」「野菜揚げ」チキンボール」がとても美味しいのである。しかし、本業は豆腐屋なので量を作らず、午後に行くと売り切れていることが多い。オーブントースターで焼いて、生姜醤油で食べると美味しい。
京急の弘明寺商店街にも「おでん種」専門の練り物屋があってたまに行くが、ここは品物が小ぶりで、「おでん」には良いが、焼いて食べるのには、チョットな・・・。その商店街の外れに、大悲会の志村馨君に紹介された練り物屋がある。ここも種類が豊富で、味は中村橋の豆腐屋に似ている。マグロの安売りで有名な松原商店街にも、好きな練り物屋があって、行くと必ずと言ってよいほど買って帰る。好きな物は「紅生姜天」。ミッチー橋本さんや、カメちゃんの地元の藤棚商店街の「今井かまぼこ」もかなり商品にこだわっていて美味しい。お好み焼き風の練り物があって、好きだ。
そうだ、銚子の「嘉平屋」を忘れていた。ここの品物も随分と取り寄せた。久しぶりに頼んでみるか。
小田原の「鈴廣」と「かごせい」もさすがに全国に名前が通っているだけあって美味しい。上品な分、「おでん」で煮てしまうよりも、そのまま食べている。本場の鹿児島の物は、「有村屋」か「まるいわ」か。いわゆる鹿児島の「さつま揚げ」は、関東の物と比べて、甘いような気がする。以前、鹿児島を旅した時に、大好きな「かつお」を食べようとしたら、甘い醤油には閉口した。以来、鹿児島に行く際は、「マイ醤油」を持参することにしている。
先日頂いた、豊橋の「ヤマサ」の練り物も上品だった。やはり良い物は煮てしまうよりも、軽くあぶって食べた方が美味しいし、酒の肴にもなる。宮城の「笹かま」も好きだ。以前は、小島蒲鉾の「鯛公望」が好きで、たまに取り寄せていたが、最近はご無沙汰をしている。
私の中でのナンバーワンは、東横線の大口商店街にある「能登屋」。ここの玉ねぎ天の大ファン。まあ値段もそこそこだが、子供がアイススケートに通っている頃は、送りがてらに買いに行った。京急の上大岡駅の駅ビルの中に支店があるのを知って、こちらの方が近いので、フラッと買いに出かける。
はんぺんで絶品なのは、大磯の「井上蒲鉾」の物である。つなぎを使わず「グチ」(いしもち)の身だけで作った最高のはんぺんである。鎌倉にある同名のお店は、親せきということだが、置いてある品物が違う。あくまで大磯の井上蒲鉾の物でなくてはならない。しかし何と言っても遠いし、地方への発送もしていない。わざわざ買いに行く元気もないし、最近はとんとご無沙汰である。近くを通ることのある人は是非、買ってみて下さい。(大磯町大磯1306.電話0463-61-0131)
海のある街へ出かけた時など、商店街に地元の練り物があるとつい買ってしまう。カツオのシーズンが終われば、さつま揚げ放浪記が始まる。
今日の昼間、文化祭の代休で家にいた子供と食事をしていたら、いきなりグラッと来た。と同時に緊急地震放送が流れた。わが陋屋はかなり揺れたので、一応玄関のドアを開けて、退避できる状態に構えた。東北沖大震災も、横浜などにいれば、喉元過ぎれば何とやら・・・。あの時の緊張と、地震の際の備えを再認識する良い機会だった。
夜は、レンタルした「風立ちぬ」を見た。良い映画だった。変に反戦のメッセージなどもなく、飛行機作りにかける情熱と純愛。飛行機映画が好きなので、最高の晩酌の肴となった。