九月ニ十九日(水)晴れ。
秋晴れの良い天気である。この季節の晴天は気持ちが良い。空には羊雲が浮かんでいた。午前中は、印刷所から送られてきた「大吼」の秋季号に執筆して頂いた各界の諸先生に、お礼状を添えて発送をした。
執筆者の方々のみならず、お世話になっているマスコミ関係者や同志の方々にも、簡単な手紙を添えて送らせて頂いた。今回の「心に残る一冊の本」の特集は、四十二名の方より原稿を頂いた。自画自賛しても仕方がないが、今回の特集には力を入れた。第一線で活躍している方々が、どのような本を感動して読んだか、また本によって勇気付けられたのか。機会がありましたなら是非ご一読を賜りたい。
尖閣問題で、中国側のトーンが下がってきたという。それはそうだろう、このまま理不尽な強硬手段を続けていたならば、日本の国民の全てが反中国となってしまうからだ。その空気を察したに違いあるまい。確かに、昨今、軍備の拡大を続け、核兵器も保有している中国は、我が国の軍事力を凌駕している。
また、「レアアース」といった貴重な資源を独占して、日本の経済に圧力をかけられるかもしれない。しかし、こんなことは、一瞬の出来事でしかないのだ。日本人の頭脳をもってすれば、かならずや中国に頼らずとも、ハイテク機の生産も中国の資源に頼らずに済むに違いあるまい。その証拠に、レアアースを使用しないハイブリッド車の開発に成功したと新聞報道にあった。更に、軍事力を背景に理不尽な外交を続けていけば、国際間の信用は失墜し、どれほど自国の経済にダメージを与えるかは自明の理である。
今回、漁船の船長の逮捕の報復として行ったレアアースの禁輸の教訓は、我が国のみならず、中国からレアアースを輸入している全ての国に、警戒感を与えただろうし、中国と言う国は、信用ならないというイメージも与えたのである。結果、それらの国々は、中国との貿易を見直し、経済の中国離れが加速するに違いない。
力を過信し、力で他を圧倒するものは、必ず力によって倒されることを歴史が証明している。 それは個人でも国家でも同じことと言える。一瞬頭を下げたとしても、腹の中では軽蔑されていることに気がつかないから始末が悪い。礼を持って接すれば、必ず、礼をもって遇されることを、実践しない者は、尊敬の対象ではなくなる。
「阿Q正伝」を書いた小説家、魯迅の言葉として知られているのが「水に落ちた犬は叩く」。つまり、「苦境に陥っている者を、さらにいじめる」という意味に使われるが、現在の中国共産党の体質を良く表している。力を過信したものの末路がいかに哀れなものであるか、中国の過去の歴代王朝が示している。
午後は、お世話になっている方に、ご挨拶に出向いた。いつも、勉強させて頂き感謝している。帰宅後は、真面目に机に向かった。八時すぎから、月下独酌。