八月三十日(金)晴れ。
また真夏日となった。わが陋屋は、陽当たり、風通しが良いのが唯一の良い所。子供たちが皆学校に行き、愚妻も仕事に出ると、残っているのは私一人である。ほとんど収入のない浪人の身としては、せめて家事の手伝いでもしていないと肩身が狭い。台所の片づけ、掃除に洗濯が終わったのが十時前。
「週刊新潮」に出ていた、旧知の西岡研介氏の「伝説のやくざ」が出版した、「山口組『宅見若頭暗殺』と五代目追放劇」というショッキングなタイトルの本を買おうと思い、事務所に寄る前に、有隣堂に行くつもりで家を出た。考え事をしていたら、無意識に車を先に事務所に向けてしまった。まあいいかと車を降りて、事務所に行けば、何とポストに、出版社(宝島社)から、買おうと思っていた本が届いていた。何という僥倖か。先に書店に寄っていれば、一冊無駄になる所だった。
編集長の井野氏と西岡氏に感謝。事務所は暑いので、横浜公園の近くにあるスタバへ行き、読み始めたら、これが面白いのなんのって、止まらなくなった。いや面白いと言っては、著者とこの本に登場する人たちに失礼かもしれない。とにかく、すごい本なのだ。と同時に、頭に浮かんだのは「ここまで書いて大丈夫なの」という思い。夜になったら、のんびりと再読するつもり。岐阜の細川先生からもメールが入って「ヤバイ本ですね」。
夜は、スーパーを三軒ハシゴして、ようやく「そごう」の魚屋で「カツオ」を見つけた。カツオの刺身よりも、秋刀魚二匹のパックの方が高かったのにはショックだった。おい秋刀魚よ、あんまり上品ぶるんじゃネェよ。と一人ごちて家路についた。