白雲去来

蜷川正大の日々是口実

「いずも」、浮かべる城ぞ頼みなる。

2015-03-31 09:55:31 | 日記
三月三十日(月)晴れ。

横須賀に停泊中の新造艦、ヘリ搭載護衛艦「いずも」の見学を兼ねて、一度行ってみたかった大型スーバの「エイビイ」へ上の子供を連れて買い物に出た。良い天気である。横浜横須賀道路はガラ空きで高速に乗ってから十五分程度で横須賀着。高速から降りる際に「いずも」が見えた。でかい。これが第一印象である。軍艦というものは、素人の私たちにとっては、ただ大きいと言うだけで頼もしく思えるから不思議だ。旧帝国海軍の空母「赤城」よりも甲板が長いと言うのだから驚く。

守るも攻むるも黒鐵(くろがね)の浮かべる城ぞ頼みなる
浮かべるその城日の本の皇國(みくに)の四方(よも)を守るべし
眞鐵(まがね)のその艦(ふね)日の本に仇(あだ)なす國(くに)を攻(せ)めよかし

まさに「弩級」の空母である。ちなみに「弩級」の「弩」は一九〇六年に建造された英国戦艦ドレッドノート号の頭文字の当て字。当時としては巨大な戦艦だったところから、並はずれて大きい等級を表すようになった。すなわちドレッドノート級(弩級)、それを超える物を「超弩級」と言うようになったのである。

今は、カーナビがあるので何処へ出かけるのにも不自由しない。始めて行く「エイビイ」にも迷わず到着。(しかし帰りはこのナビに翻弄されることになる)いやーこのスパーも弩級である。スーパー好きの私としては嬉しくて呼吸困難になりそうである。今日は初めてということもあって大した買い物をしなかったが、次は目的を持って買い物に来ようと思う。酒のコーナーでは「伊佐美」が山積みにされていた。値段は税抜きで三九八〇円。マアマアかな。さあて買い物を済ませて海自の基地へと向かったのだが、何と設定していたナビが行きと帰りでは違う方向を案内するではないか。変だなと思ったが、気が付いた時は遅く、高速の入口に来てしまった。今更戻るのも面倒なのでそのまま帰って来てしまった。我ながらドジをしたと後悔。折角の「いずも」もチラ見で終わってしまった。

夜は、町内の仲良しさんとの月に一度の飲み会。差し入れの「魔王」が美味しかった。その後、ご近所さんの友達に誘われて井土ヶ谷駅近くのスナックへ転戦。偶然にもお客さんのほとんどが間接的な友人で盛り上がった。懐かしい方にもご挨拶できて禁酒明け二日目で大破・轟沈の夜でした。

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一週間ぶりの酒に酔った。

2015-03-30 11:30:03 | 日記
三月二十九日(日)曇り後雨。

花の雨 けむる祖国のさみしさよ。とは野村先生の『銀河蒼茫』の中の春の句から。先生が桜を詠んだ句には好きなものが多い。もし無人島に一冊の本を持って行くとしたら、私はためらいなく『銀河蒼茫』を挙げる。春夏秋冬、先生の祖国に対する思いや葛藤。十七文字の中に先生のすべてが込められている。

国の愁い かくも切々たる落花。自民党の総裁室に飾って貰いたいものだ。

今日は、サリーズ・バー主催の「三月生まれの誕生会」を相鉄線の天王町駅近くのスペイン料理屋で開催。仲良しさんたち三十名が集まった。気の置けない人たちとの酒席ほど楽しいものはない。今月に還暦を迎えた印南さんから「ムーンアイズ」のパーカーを頂いた。申しわけなし。一週間ぶりの酒で、かなり効いた。二次会の居酒屋へ行った時はかなりヘロヘロ。カメ&アコちゃんや山崎雅夫氏らと「颯」に転戦した時には文字通り。、酔眼朦朧歩武蹣跚たるありさまで、一杯も飲めずに、皆さんに挨拶して帰宅。子供たちに着物を脱がしてもらい布団に入った。

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桜の下での家族写真。

2015-03-30 10:34:12 | 日記
三月二十八日(土)晴れ。

天気予報では明日の日曜日に雨マークが出ている。まだ横浜の桜は五分咲き程度だが、家族揃って恒例の写真を撮りに行った。横浜の下町を流れているのが大岡川である。その川沿いにいつの頃からか桜が植えられ、今では桜の名所となった。私の子供の頃は、運河と言えば柳と相場が決まっていたものだ。中学生の頃までは、京急の黄金町駅から日ノ出町駅の川沿いには、川に半分せり出したバラックが並び随分と怪しげな雰囲気があった。黒沢明の「天国と地獄」の舞台にもなった場所だ。当然ながら今ではそんな面影さえも感じられない。

大岡川沿いの南区役所のすぐ近くの桜の下でもう十年ほども家族写真を撮っている。私にとっての十年などは、ほとんど変わりがないが、子供たちの十年は、正に激変の十年でもある。残念ながら桜はさみしかったが、恙なく今年も桜の下で揃って写真を撮れたことに感謝。

大塚家具のお家騒動は、結局娘の完勝で終わった。一昔前だったなら与党、野党の総会屋が入り乱れて大変なことになったのだろうが、今では、正義の仮面をかぶった金のことしか頭にない株主とか言う連中の意思が尊ばれる。良いのか悪いのか貧乏人の私には分からん。親父が会見で「私の不徳の致すところ」と言ったそうだが、全くその通り。しかし七十を過ぎて金も余るほどあるのだから、後輩、それも自分の娘を信用して悠々自適の生活に入ったらどうかと思う。大きなお世話かもしれないが、事業の他に楽しみがないと言うのもある意味では寂しいことで、幾ら金があっても家族が不和では、正に裸の大様だ。まあどうでもいいことですが。

その後、マイカル本牧へ。昼食をとってから夕食の買い物。禁酒も今日で終わり。長い一週間だった。

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良い本との出会いは、良い友、良い酒との出会いと同義語。

2015-03-29 12:05:54 | 日記
三月二十七日(金)晴れ。

子供を連れて一緒に歯医者。私が歯で苦労したので子供たちの歯や歯並びには小さい頃から気を遣っている。上の子供は来月から大学に入学するのでその前に歯の検査をしてもらった。綺麗に磨かれていて異常なしとのこと。

愚妻と合流して中華街の福満苑と言う所でランチをとった。私は初めての店だが愚妻は仕事仲間と何度か来ているとのこと。それぞれ違ったランチメニューを頼んだが、一人六百九十円では満足する料理だった。

そのまま子供と一緒に事務所に行き書棚の整理。五時過ぎに帰宅。夕食は、うどんを茹でて寄せ鍋風にしてから皆で食べた。酒を飲まずにいるのであっという間に食事が終了してしまう。

過日、伊勢佐木町のワゴンセールで買ったのが「ある歩兵の日露戦争従軍記」(茂沢祐作著・草思社刊)古書なので千円だった。この本は、直感で買った本にしては大当たりだった。日露戦争に出征する動員直前の兵営内の雰囲気から、戦地に赴くまでの全過程の体験を日記にしたものである。余談ではあるが、先の大戦では連合国のほとんどが兵士の日記を禁止していた。その理由は防諜にあるのは言うまでもない。しかし日本軍は、さほど厳しくなかった。むしろ陣中日記を書くことが習慣となっていたようである。アッツやガダナルカナルで戦死した日本軍の兵士の多くが日記をつけていたことに驚いた米軍は、早速その日記を解読して日本軍の作戦動向を研究したそうだ。その日記の翻訳にあたったのが若き日のドナルド・キーン氏であったと解説にある。

また日記のほとんどは現代仮名遣いに直されているが、その文章の美しさや豊富な語彙には感心を通り過ぎて感動すら覚える。果たして現代の日本人のどれほどの人が作者のような美しい日本語を書くことが出来るのだろうか。昨今、小学生に英語教育が実施されると言う。国語を教えずに何の外国語かと慨嘆するのは私だけではあるまい。百年前の日本人の日常が手に取るようにわかって、とても面白かった。

良い本との出会いは、良い友、良い酒との出会いと同義語だと思う。今月は、山本一力氏の「桑港特急」、山平重樹氏の「決死勤皇・生涯志士―三浦重周伝」など心に染みる読書が出来た。また書店で「酒」と「食」に関する本が目につくとつい買ってしまう。旅に出る時には必ずそう言った本を持って行くことにしている。歳のせいにはしたくはないが、政治的な本を手にする気がなくなった。根気が年々薄れて行く。

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映画「アイアン・ソルジャー」にとても感動した。

2015-03-27 22:53:14 | 日記
三月二十六日(木)晴れ。

昨日のブログでチュニジアにてテロに巻き込まれた女性自衛官について少し触れさせて頂いた。別にその方を意識したわけではないのだが、偶然にツタヤでレンタルしたDVDで「アイアン・ソルジャー」と言うものを見た。五作品で千円なので、内容も余り気にせずに準新作のコーナーにある戦争映画ということで借りてみた。題名からイメージしたのはアフガニスタンの戦いにおいて米軍の女性兵士が男勝りに活躍する話だと勝手に思って見たが、全く違ってヒューマンドラマのようでとても感動した。

映画は二〇一四にアメリカで公開されたが、日本では未公開でDVDとなって発売され、また以前WOWOで放送された。内容は、十五ヶ月に及ぶアフガニスタンの最前線での任務から帰国した主人公である衛生兵のマギー。だが、再会を待ちわびた五歳になる一人息子ポールは、前夫の婚約者になつき、母親であるマギーと暮らそうとしない。何とか親子の関係を取り戻そうと努力するのだが、その一方で、戦場での過酷な記憶や、基地での訓練、新たな恋、前の夫との諍いなど、丁寧で見ごたえのある場面が続く。「軍人が天職だから」と明言する主人公が、「男は仕事ばかりでも何も言われず、女だと母親失格と言われる」。この言葉が印象に残った。そして国家のために再び子供を残して戦場に赴く。ラストの我が子との別離の場面が胸を打つ。原題の「FORT BLISS」は主人公が勤務するフォートブリス陸軍基地のことであるが、邦題の「アイアン・ソルジャー」よりもう少し映画の内容に沿った題名をつけて欲しかったと思った。

私も子供の頃に母一人子一人の環境の中で育ったので、主人公の子供の寂しさが良く分かり切なかった。国家の大義に殉ずるのは何も日本人だけではない。国中がディズニーランドのような平和で、国民のほとんどが「死」や「暴力」について考えることのない今の世の中に、良し悪しは別として、戦場の第一線に立つ女性兵士がいる。旅行中にテロに遭遇した陸自の三佐に関する本人のコメントを読み、そして偶然にも同じ女性軍人の映画を見たことは、私にとって何か暗示的な出来事のように思えてならなかった。女性の方に是非見て頂きたい作品です。

今日も、禁酒を続けている。酒を飲まない時の食事の時間の短いこと。喜んでいるのは子供たちだけである。山本一力氏の「桑港特急」(文藝春秋)を読了した。山本氏の力作「ジョンマン」の番外編のような作品だがとても楽しめた。

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