11月25日(月)晴れ。憂国忌
憂国忌 風が鞭振る天に地に。とは野村先生の獄中句集『銀河蒼茫』の「秋の部」にある。「秋の部」の句の中で、私が好き、というよりも胸を打つのは、「獄中十年目、一句」と題して詠んだ、石廊を出て鰯雲「また秋か」・・・。昭和39年、先生は「河野邸焼き打ち」事件にて12年の判決を受けて、千葉刑務所に下獄する。恐らく「獄中十年目」は、昭和49年のこと。三島烈士の自決から4年目の秋のことである。
午後一時、私の事務所に元亜無亜危異(アナーキー)のギタリスト藤沼伸一さんがカメラマンを伴って来訪。何かドキュメンタリー映画を製作中とのことで、様々な人にインタビューを行っているとかで、私と松本佳展君とに白羽の矢が立った。藤沼伸一さんとお会いするのは久しぶりの事。何年か前に桜木町のライブハウスに行ったのが最後だから5,6年ぶりか。
早速撮影。人生観や最近の世相、自由と平等とはなど約30分ほどカメラの前で、インタビュー。最近はとみに老いが顔と頭に出ているので、折角の藤沼さんのご厚意に答えられるのかと心配である。反省と後悔の30分だった。松本君の方がよほど的を射た話をしていた。本来は、久しぶりにお会いするので、終わってから、是非一献と思っていたが、夜に、お世話になっている方と会食の約束があり、後日を約して別れた。
夜は、紅灯の巷で、食事の後に傾城と傾国とを相手に杯盤狼藉。11時過ぎに帰宅。※写真は、私の事務所で、藤沼さんのインタビューに答える私。