2月27日(木)晴れ。
良い天気である。窓を全開にして温かい空気を取り入れようかとも思ったが、花粉が心配なのであきらめた。我が家の空気清浄機は全開、フル稼働である。昼は、箱根駅伝の花の二区、権太坂にある蕎麦屋「名古屋」にて。ここの蕎麦はあまり好きではないので小エビが沢山入っている「かき揚げ丼」を。1300円なり。私的には、これは絶品である。
随分前に読んだのが、『ウイスキー粋人列伝』(文春新書・820円)。「吉田茂も黒澤明も向田邦子も日本人はみんなウイスキーが好きだった」と帯にあり、愛飲家90人のエピソードが綴られている。私は飲食に関する本が好きで、特に酒のエビーソードについて書かれたものは、目についたらすぐに買うようにしている。その「列伝」のトップに登場するのがクラッシックのギターリストでエッセイストでもある村治佳織さん。彼女のウイスキーの話も良かったが、嬉しかったのが次の一文。
「トレドには、もう何度足を運んだかわからない。パラドールのお庭から見るトレドの全景、これは画家のエル・グレコも魅せられてトレドに移り住んだという逸話も残っているぐらいでも、千年も景色が変わっていない。私の中では、いま地球上で見られる中でも、もっとも好きな光景の一つです」というもの。ちなみに「パラドール」とは、スペインでは古城などを改装したり、景勝地に新しく建てた半官半民の宿泊施設網のことである。
私は、村治さんが、トレドのパラドールから見た「いま地球上で見られる中でも、もっとも好きな光景の一つです」を、もう30年以上も前に野村先生と共に見た。その庭で、先生は旅の感慨を語り、私がビデオに収めた。命のあるうちに機会があればもう一度訪れてみたいものだ。トレドはキリスト教徒がイスラムを駆逐した「レコンキスタ」(失地回復)の地としても有名である。写真はトレドのパラドールにて。若き日の私です。