八月三十日(火)晴れ。
朝八時半に、内田春雄氏が来訪。といっても遊びに来たわけではなく、駐車場の上にある納戸の塗装の仕上げに来たのだ。錆止めの下塗りは、物珍しさもあって手伝ったが、職人気質の内田団長から、「へたに塗られると、メンツに関わるから、手伝わなくとも良い」と言われ、お言葉に甘えて、連載させて頂いている「実話ドキュメント」の第百十回に取り掛かり、夕方までかかって脱稿した。
民主党の代表となった野田佳彦が、第九十五代の内閣総理大臣となった。政権交代からわずか二年足らずで三人目の首相となるわけだが、小泉政権以来、自民党の総理が短命で終わることに文句を言っていたのは、一体どこの政党だったか。
幹事長に日教組のボスで、旧社会党出身の輿石東を指名するなど、「保守」のプライドはどこへ言ったやら。菅直人の「最後っ屁」にもたまげたが、日教組のボスと手を組むとは、いかがなものか。
産経新聞に、お茶の水大学名誉教授で、数学者の藤原正彦氏が、「甦れ日本」という特集に登場している。その中で、藤原氏は「『真の保守政党』が見当たらない」として、こう発言している。
「かつての自民党は『保守』でしたが、現在の実態は『リベラル』です。民主党もリベラルですから、自民党に政権が戻っても大差ない。二大政党がともにリベラルではいけません。少なくとも一つは、自らの力で国を守り、日本人の良き伝統を重んじ、誇りを取り戻させてくれるような『真の保守政党』であるべきです。そうなっていないから首相が代わっても同じこと。希望を見いだせないのです」。
まさにその通りで、自民党の谷垣と民主党の野田とどこが、どう違うのか、良く分からない。私には、二人が、政党を交換して所属しても、何の違和感もないように思えてならないのだ。
また藤原氏は、旧制高校が戦後GHQによって解体され、結果、真のエリートが育たなくなったと指摘している。「真のエリートとは」という記者の質問に対して、藤原氏は、条件は二つあるとして、「ひとつは、歴史、科学、文学、思想・・・といった一見”ハラの足しにもならないような”教養を十分に身につけていること。これがなければ大局観は持てません。もう一つは、国民、国家のために命をささげる気概を持っていることです」と述べている。
自民党や、民主党の議員は、この藤原氏の言葉を心して聞きなさい。
夜は、軽く家飲み。今週は、真面目に原稿と向かい合っています。そうそう、愚妻が帰郷した折にお土産で買って来た、鎌田屋の「つがる漬け」。これで一杯やるのが楽しみで仕方ない。