十二月二十二日(月)晴れ。
朝食の後に、歯医者。終了後は事務所にて仕事。お世話になっている人や、お歳暮を送って頂いた方たちへの礼手紙を八通ほど書いたら、手首が痛くなった。
五時過ぎに、帰宅。のんびり風呂に入ってから、夕食。私は、松本佳展君から頂いた「黒霧島」で晩酌。
連日、「百年に一度の不況」の報道で気が滅入る。派遣社員がリストラされて、社員寮を追い出され、住む所がない、というニュースが、これでもか、これでもかと流される。確かに、この暮れになって気の毒な事だ。しかし、その人達には、家族や兄弟がいないのだろうか。とりあえず、次の仕事が見つかるまで、身内、あるいは友人の家に住ませてもらう、と言ったことが出来ないのだろうか。また、一銭の蓄えも今までしてこなかったのだろうか。
企業のリストラも問題だが、もっと問題にしなければならないのは、そういった人たちに家族や、友人がいないことだ。厳しい言い方をすれば、企業は、業績が悪くなることもある、ということを見越して、派遣社員というアルバイトを雇い、非常時に備えている。また、派遣社員も、いつ仕事を打ち切られても仕方のないことを承知で「派遣社員」となっているのではないのか。契約が満了する前に辞めさせる企業も問題だが、派遣会社も、その人たちが、次に働ける場所を確保する責任がある。
何時だったか、テレビで、あるカメラ会社が工場を新設するのを見越して、それまで経営していた旅館を廃業して、アパートを六棟も建設した老夫婦のことが取り上げられていた。この不況によってカメラ会社が、大幅なリストラを行い、よって六棟あるアパートのうち四棟が空いてしまい、残るローンをどうしたらよいか、という嘆きを映していた。
チョット待って欲しい。確かに気の毒だが、この夫婦は果たして弱者、被害者なのか。そうではないだろう。穿った見方をすれば、最初から、利殖目当てでアパートを六棟も建てたのではないのか。本当に老後をのんびりと過ごすのならば、一棟だって生活が出来るような気がするし、私から見れば、実に羨ましい話である。いや贅沢な悩みのように感じてならない。私の見た限りでは、お二人とも七十をとうに過ぎているようだった。失礼だが、一体幾つまで生きたいのか、そして幾ら金があったなら良いのか。申し訳ないが、単に見込み違いで利殖の目当てが敗れて損をしたのと大差ないように思えるのだが。
少し前には、日本の企業の終身雇用を批判して、欧米並みにしようと訴えていた経済評論家とか言う連中は、今こそ勇気を持って、弱者のために、その財産を投げ打て。