地元の旧家が、国指定の有形文化財に指定されたと言うことを耳にしてから、その古めかしい建物に目が行くようになりました。
木造三階建の洋館と、純和風の融合した建築は、珍しいそうです。
表面はレンガが積み上げられ、話を聞くまでは木造だとは想像もしていませんでした。
大きな蔵が隣接し、広い庭があり、建物の内部にはいたるところに歴史を感じさせるものが溢れています。
そんな建物を見ていて一番気になったものが、玄関脇のこの窓ガラスです。
普段目にする窓ガラスは、大量生産され品質も安定したものが作られています。
色も透明で、厚みも均一なのは、言うまでもありません。
この建物も、オーナーが亡くなるまでの数年前までは、実際に生活があったので大半は通常のガラスが使われています。
ただ玄関脇のガラスだけは、古いガラスがそのまま残っていました。
手作りのガラスは微妙に厚みが不均一で、ガラス越しの景色も、ガラスに映る景色も歪んだ姿を見せてくれます。
まるでステンドクラスの中の、巨大な1ピースのような気がします。
どれくらいの時間を映してきたのかはわかりませんが、このまま残して欲しいと思います。