昨日の日曜日は内科当直だった。日直が小児科医だったので昼前から病院に来て待機していたが、特別内科入院はなかったので、不明熱の診断学を読んでいた。
当直帯になって、身障者の施設に入所している64歳女性が40℃の発熱で受診してきた。卵巣癌で卵巣子宮摘出術を受けている。再発して腹腔内に播種して腫瘤が散らばっている。肝転移と肺転移もあった。抗癌剤治療を一時的にしたが、その後は無治療で経過観察となっていた。実際抗癌剤治療ができる状態ではない。今回の発熱は尿路感染症(腎盂腎炎)が疑われた。最近は飲み込みが悪くなってきているそうでd、両側肺の誤嚥性肺炎もありそうだ。感染症の治療でいったん良くして施設に戻れるかどうか。
99歳女性が血便で受診した。ふだんは他の総合病院に通院しているが、今日は当院に来た。家族が婦人科の方かもしれないと言っていたが、直腸指診で確認した。やせていて腹部CTで大腸疾患の診断が困難だったが、明らかな腫瘍はない。虚血性腸炎が疑われるが、憩室出血なども否定はできない。入院で経過をみることにする。
20歳の男性が救急搬送されてきた。日中から発熱があり、当番医を受診して感冒薬を処方されていた。夜になって立ち上がった時にふらふらして頭部を打撲したため、両親が心配して救急要請したもの。腹部不快感と嘔気があり、病院に来てから下痢便が出た。感染性胃腸炎のようだ。診察するとそれほど問題なさそうだったが、夜間ということもあり短期入院とした。希望もあって頭部CTを行ったが異常はない。CRPが5と上昇していた。ウイルス性ではなく、細菌性なのかもしれない。翌日には腹部症状が軽快して食事摂取良好だった。
同じ身障者施設に入所している51歳女性がけいれんが止まらないということで救急搬入された。精神科病院から抗けいれん剤を処方されているが、電話したところ総合病院で診てもらうようにいわれてそうだ。施設内でシアゼパムの座薬10mgを2回挿入していた。両眼が左方に偏移していたが、ちゃんと呼吸はしていた。点滴ラインをとっているうちに、けいれんはすっかり治まった。経過をみるため短期入院とした。朝病棟に診に行ったが、会話ができて食事もとれていたので、退院とした。抗けいれん剤についてはかかりつけの精神科病院で相談するようにした。