26歳男性。子供の時から膵炎を繰り返している。小児科での入院から数えると10回以上入院している。内科で数回入院していたが、今の病院に赴任してからは、私が診るようになった。消化器科医と私と半分ずつ主治医になってきた。昨年末に入院からは外来通院していたが、軽度の膵炎はあったらしい。今回は1週間前に膵炎の症状があったが、慣れているので食事を抜いて症状が軽快していた。しかし前日からまた上腹部痛が起きたため、母親に勧められて受診した。受診した時には自発痛がなく、上腹部の圧痛もはっきりしなかったが、炎症反応の上昇と血清と尿のアミラーゼが上昇していた。腹部造影CTで膵臓の特に膵頭部が腫脹して周囲の脂肪織に炎症像を認めた。半年前の入院時と比べると、以前は膵尾部にわずかにしかなかった石灰化(膵石)が膵臓全体に見られた。完全に慢性膵炎になっている。主膵管が拡張して、その中に膵石が散在している。特に膵頭部の主膵管内に膵石は消化液の流出を妨げている可能性がある。週明けにMRCPで確認することにした。もし、膵炎が治まった後、食事を開始して上腹部痛が起きるようであれば、大学病院の専門外来に紹介するしかない。
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