大学病院やがんセンターなどの他の基幹病院で癌治療をしていて、治療継続が困難になって緩和ケアのみとなった患者さんが紹介されてくる。今月半ばに肺癌の男性が亡くなって、現在は2名が入院している。
直腸癌術後再発の肝転移肺転移の64歳男性は、緩和ケアを希望して直接受診してきた。基幹病院で手術を受けて、その後は術後の癌化学療法を受けていたが、副作用がいやで中断してしまった。自宅で過ごして、そのまま自宅で死ぬことを希望していたが、癌性疼痛が出て当院を受診した。外来でオピオイドを処方して経過をみていたが、食事摂取できなくなって、家族に説得されて入院した。入院した日から自宅に帰りたいと言っている。家族、特にずっと世話していた妻は入院してもらってほっとしていた。
肺癌の88歳女性は病状が悪化して、経過をみていた病院にいったん入院した。その後、ある程度食事摂取もできて退院可能となった。しかし認知症もあることから家族は入院継続を希望したため、当院に紹介となった。癌性疼痛の治療を継続して少量の点滴で経過をみているが、看護の面からは認知症患者さんの対応と変わらない。
今日は地域医療連携室の人が、大学病院から腎細胞癌の治療をしている78歳女性のことで問い合わせが来ていると、紹介状を持ってきた。まだ外来通院中らしいが、終末期の緩和ケアの手配も必要となってきていた。快くとまではいかないが、受け入れ可能と返事してもらった。
最近の緩和ケアはオピオイド+ステロイドで行っている。オキシコンチン内服で開始して、内服困難になるとフェントステープを使用して、最終的には塩酸モルヒネの点滴静注となることが多い。ステロイドはもっぱらデカドロンを内服か点滴静注で使っている。鎮痛補助剤も多少使う。本格的なホスピスのようにはいかないが、地元の病院で診ているという点ではいいのかもしれない。