単に日記として書いているので、コメントが来ることは考えてなかった。gooブログにしたのは、尊敬する青木眞先生がgooブログだからで、画面の体裁も同じにしている。少しだけコメントが来ていたのに先月気づいた。数か月経過していているので今さらという気がするが、学生さんからリウマチ性多発筋痛症(PMR)の質問があった(学生なら大学の専門医に聞いた方がいいと思うが)。症例はこれまで10数例で、今も2名の高齢者が通院している。最初は疑った患者さんをリウマチ膠原病科に紹介していたが、診断と治療に慣れると比較的簡単なので(高齢者で専門医までいけないことも大きいが)、そのうち自分で診るようになった。、
リウマチ性多発筋痛症は症状で診断するしかないが、高齢発症関節リウマチや多発筋炎との鑑別になるのだろう。症状はまさに筋痛症というものなので、典型的なものはあまり迷わない。念のため、リウマトイド因子・抗CCP抗体・抗核抗体は出しておく。多発筋炎は2例しか診たことがないが、CKが上昇しているので鑑別はつくのだろう。
側頭動脈炎の合併が気になるところだが、jaw claudicationがかなり参考になる。基本的に側頭動脈炎は専門医へ紹介する。高齢者で、専門医への通院が大変な場合は当院で診ることになる。実は当院には血管外科医がいて側頭動脈の生検は頼めばできるが、行っていない。80歳以上が多く、プレドニン30mg/日によく反応するので、そのまま治癒まで約2年間診ている。生検がないと確定診断ではないので、発表はできない。
悪性腫瘍の骨転移や骨髄腫と間違うというのは考えたことがなかった。PMRの場合は、プレドニン10~15mg/日で1週間後に著明な改善がなければ、診断が違うことがわかる。骨転移や骨髄腫がこの治療で著明に改善することはないだろう。PMRで、悪性腫瘍合併の検索は症状がなければ行っていない。関節エコーはやったことがない。
リウマチ性多発筋痛症については、須藤博先生がケアネットDVDで「Dr須藤のビジュアル診断学」を出していて、ほとんどPMRの話なので、これが一番参考になる。3巻とも買った方がいい。直接専門医から指導を受ける機会があまりないので、ケアネットDVDはほとんど持っている。