なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

リウマチ性多発筋痛症ーコメントに気づく

2013年09月06日 | Weblog

 単に日記として書いているので、コメントが来ることは考えてなかった。gooブログにしたのは、尊敬する青木眞先生がgooブログだからで、画面の体裁も同じにしている。少しだけコメントが来ていたのに先月気づいた。数か月経過していているので今さらという気がするが、学生さんからリウマチ性多発筋痛症(PMR)の質問があった(学生なら大学の専門医に聞いた方がいいと思うが)。症例はこれまで10数例で、今も2名の高齢者が通院している。最初は疑った患者さんをリウマチ膠原病科に紹介していたが、診断と治療に慣れると比較的簡単なので(高齢者で専門医までいけないことも大きいが)、そのうち自分で診るようになった。、

 リウマチ性多発筋痛症は症状で診断するしかないが、高齢発症関節リウマチや多発筋炎との鑑別になるのだろう。症状はまさに筋痛症というものなので、典型的なものはあまり迷わない。念のため、リウマトイド因子・抗CCP抗体・抗核抗体は出しておく。多発筋炎は2例しか診たことがないが、CKが上昇しているので鑑別はつくのだろう。

 側頭動脈炎の合併が気になるところだが、jaw claudicationがかなり参考になる。基本的に側頭動脈炎は専門医へ紹介する。高齢者で、専門医への通院が大変な場合は当院で診ることになる。実は当院には血管外科医がいて側頭動脈の生検は頼めばできるが、行っていない。80歳以上が多く、プレドニン30mg/日によく反応するので、そのまま治癒まで約2年間診ている。生検がないと確定診断ではないので、発表はできない。

 悪性腫瘍の骨転移や骨髄腫と間違うというのは考えたことがなかった。PMRの場合は、プレドニン10~15mg/日で1週間後に著明な改善がなければ、診断が違うことがわかる。骨転移や骨髄腫がこの治療で著明に改善することはないだろう。PMRで、悪性腫瘍合併の検索は症状がなければ行っていない。関節エコーはやったことがない。

 リウマチ性多発筋痛症については、須藤博先生がケアネットDVDで「Dr須藤のビジュアル診断学」を出していて、ほとんどPMRの話なので、これが一番参考になる。3巻とも買った方がいい。直接専門医から指導を受ける機会があまりないので、ケアネットDVDはほとんど持っている。

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聴診所見あり

2013年09月06日 | Weblog

 32歳男性が昨晩発熱で救急外来を受診した。当直医は一番若い整形外科医だった。患者さんは点滴してほしいという希望だったので、言われるままに点滴500mlをいれてボルタレン坐薬を処方した(開業医の息子さんで、とても素直な先生)。たぶん当直の看護師さんが明日内科外来を受診するようにと言ったのだろう。今日外来を受診した。

 症状は3週間前から咳が続いて、その後2週間前から鼻水が出て、咽頭痛もあったそうだ。1週間前から発熱が続いて近くの医院を受診した。そこは小児科なので日曜日の当番医だったのかと思ったが、風邪症状などでふだんから受診しているという。普通の感冒薬と気管支拡張剤が処方されていた。抗菌薬はなかった。非特異的上気道炎だが、期間が長すぎる。合併症としては、痰が黄色いというので肺炎が考えられる。

 聴診すると、左下肺野に相当する部位にラ音が聴取された。水疱音とも言い難く、喘鳴とも言い難いが、どちらかというと乾性ラ音のほうかなという音だった。胸部X線ではよくわからない。胸部CTを見ると、心陰影の背側に浸潤影があった。白血球11000、CRP6と炎症反応上昇があった。

 仕事は警察官で、休めないという。単身赴任で当地に来ている。尿中肺炎球菌抗原とマイコプラズマIgM(この検査はあてにならないが)は陰性だった。通常の細菌性肺炎と思われたが、マイコプラズマも否定はできない。外来でセフトリアキソンを点滴して、抗菌薬経口剤(迷ったが、クラビットにした)を1週間処方した(1週間後じゃないと来院できないという)。とりあえず職場には病院で肺炎といわれたことを伝えるように言った。

 それにしても、肺炎の陰影が小さい割には聴診所見が出るものだと変に感心してしまった。

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