内科医院から紹介された51歳女性は敗血症性ショックだった。意識障害があり、呼名に返事だけするが、会話は成り立たなかった。入院後に、救急搬入時に提出された尿培養と血液培養2セットから同じ大腸菌が検出された。もともと糖尿病の血糖コントロールが悪く、HbA1cは11%だった。血中Cペプチドは高値で、肥満のためにインスリン抵抗性が高い。血清クレアチニンが4mg/dlまで上昇して急性腎不全を呈していた。内科医院での血清クレアチニンはまだ正常域で、今回の感染で悪化したものと判断された。抗菌薬はセフトリアキソンとクラビットを併用した。通常量の半量で使用した。入院3日目まで尿検査で細菌が検出されて、4日目にやっと陰性になった。
3日目から解熱し始めて4日目に平熱となった。少しずつ食事摂取ができるようになり、ちょっと安心した。凝固系の異常が軽快し始めたが、まだ血小板が6~7万と低く週明けの検査で正常化してみないと完全には安心できないが。それにしても血糖を改善させないと今回のようなことを繰り返してしまう。糖尿病の自覚に乏しいようで、今回のエピソートをきっかけに、どれだけやる気になるかだろう。