肺炎・肺膿瘍の82歳男性が基幹病院の呼吸器科から転院してきた。嚥下障害があるが、家族は経口摂取させていと希望しているという話だった。今日来てみると、前医の主治医は電話で連絡してきた先生とは違っていて、紹介状の内容も違っていた。
直接穿刺して出た菌名1種類と使った抗菌薬が書いてあるだけだったが、実際は3種類の菌名があり、アスペルギルスも証明されたとあった。抗真菌剤も投与されていた。それも昨日まで使用していて、それで終了していいのか、継続投与なのかも書いていない。
経口摂取すると確実に誤嚥性肺炎を起こして亡くなりますと説明して、家族は納得されていますとあったが、家族は経口摂取できるものと思っていた。昨年脳梗塞で入院していた。多発性ラクナ梗塞だが、脳室が拡大していた(正常圧水頭症というほどではない?)。見たところ、経口摂取はむりだなあと思われたので、ゼリー食から試してみるが、嚥下できない時は経管栄養を考えますと伝えておいた。ゼリー食や、その上のソフト食(ムース状)くらいなかまだいいが、全粥刻み食の段階で誤嚥すると両側肺炎で一気に呼吸困難となる可能性がある。
いろいろと問題があって、対応が難しそうだ。肺癌の緩和ケアで紹介される方がましかもしれない。まず、できる範囲でやってみるしかない。