基幹病院の呼吸器科に通院している77歳女性は肺炎の進行で発熱が続いていた。もともとは膠原病(SLEということになっている)で退職した内科副院長先生の外来に通院していた。その先生が退職した後は、私の外来に通院していた。膠原病に伴う間質性陰性があり、昨年咳・発熱で胸部X線をとると、左下肺を中心に陰影が増加していた。膠原病肺ということで、呼吸器科に紹介したが、細菌性肺炎として治療して改善したという。しかし検査で非結核性抗酸菌症があることがわかり。それはじわじわと進行した。抗j結核薬は副作用で使えず、中断せざるを得なかったそうだ。
先月から発熱が続いて、呼吸器科で外来治療をしていた。入院しても良くならないといわれたそうだ。確かに抗結核薬を含めて多剤併用ができなければ、治療の見込みはないのだろう。食欲がなくて点滴を希望する時は、当院を受診するようにということだった。先週から外来で点滴をしていたが、発熱は続いていた。今日は日直で出ていたが、家族の希望を聞いて入院とした。細菌性肺炎が併発していれば、そこには抗菌薬が効くかもしれないが、元の病気は経過観察のみとなる。3日後に呼吸器科の外来予約があるので、今後治療について問い合わる紹介状を家族に持たせて、返事をもらうことにした。点滴と細菌性肺炎の治療で経過を診て下さいという返事がくるとは思うが、家族に今後の見通し(予後不良)を説明してもらえれば、あとはこちらで最期までみてもいい。補中益気湯で体力が少し改善しないかな(無理だろうなあ)。