78歳女性が婦人科から回されてきた。昨年6月に卵巣癌(嚢胞腺癌)と診断されたが、脳出血後遺症もあり、手術はしないで経過をみることになった。1か月前から食欲がなく、嘔吐するという症状だった。最初に消化器科に回されたが、昼近くで消化器科医が今日は午後当直明けの半日休暇の予定だったので、内科で診ることになった。昨年の腹部CTから数か月経過しているので、CTを再検したが、腹腔内の「右半分から正中を超えて左側まで達する巨大な腫瘍があった。腸管と大動脈が圧排されている。腹水もあった。
連れてきた娘さん(二女)と相談したが、患者さんは夫と三女と同居しているそうだ。家庭でも介護は無理になったので、入院を希望された。患者さんは脳出血後遺症で失語があり、会話はできない。入院で点滴して経過をみることにしたが、1か月くらい持つだろうか。
午後になって、59歳女性が嘔吐が続いて食事がとれないと受診した。大学病院の乳腺外科で術前の抗癌剤治療を受けていた。大学病院に連絡したら、近くの病院で診てもらう様に言われた。大学病院に紹介したのは別の病院だった。とりあえず、点滴500mlを2本して、土日にも外来で点滴できるようにオーダーを入れておいた。当院の外科医が乳癌治療をしていて、大学病院の乳腺外科医に来てもらっていっしょに手術している。大学入院までの間体調の悪さが続く時は、当院に短期間入院して大学病院の入院待ちもできるはずだ。嘔気嘔吐が続く時は、月曜日に来てもらって外科医と相談することにした。