なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

過多月経による鉄欠乏性貧血

2014年03月19日 | Weblog

 49歳女性が下腹部痛で救急搬入された。生理出血が始まり、以前から月経困難症があるが、今回はひどいという。救急当番は外科医で、腹部所見としては問題なかった。血液検査で鉄欠乏性貧血(Hb6g/dl、MCV60と小球性)があり、腹部CTで子宮筋腫があるため、婦人科に回した。婦人科外来を受診するころから嘔吐が始まり、内科にコンサルトされた。

 処置室に見に行くと、以前内科外来にきたことがある女性だった。15年以上前に結婚で中国から日本に来た人だった。心因性の症状で、安定剤を短期間処方していた。今回の症状は月経困難+心因性要素だが、貧血が進行している点が違う。

 一昨年に過多月経と月経困難で婦人科外来を受診して、慢性出血による鉄欠乏性貧血と子宮筋腫を指摘されていた。鉄剤を処方されて、あとは地元の(隣町だが、けっこう山の中)診療所で鉄剤をもらっていた。その後、鉄剤によると思われる皮疹がひどくなり、皮膚科に通院したという。こうなると、本当に鉄剤かどうか確かめこともできないし(再投与はためらわれる)、鉄剤で嘔気・嘔吐が出た時と違って、注射鉄剤でも同じことになる。

 婦人科で生理を止めるように治療をすることになるが、すばらく時間がかかるそうだ。この貧血で鉄剤が使えないと輸血するしかない。婦人科で入院治療となった。消化管出血ではないようだが、内科でも診せてもらうことにした。便潜血で陽性ならば消化管の精査になる。

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