なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急激にやせた糖尿病

2014年03月03日 | Weblog

 64歳男性が心窩部痛~左季肋部痛で早朝に救急外来を受診した。血液検査で血糖が485mg/dlと高値で、HbA1cが15.0%だった。心電図は完全右脚ブロックで虚血性変化が読みにくい。心筋逸脱酵素の上昇はなかった。当直の神経内科医が、糖尿病放置からの急性冠症候群を心配して循環器科医に相談した。心エコーと心臓冠動脈CTを至急で行ったが、冠動脈の狭窄はなかった。

 糖尿病の家族歴はなかった。1か月で7Kgの体重減少があり、1~2週間は口渇・多尿がひどかったそうだ。意識は清明で一見何でもないように見える。高血圧症で内科医院に通院しているが、糖尿病とは言われていないという。膵癌を疑って腹部エコーを行ったが、異常はなかった。CA19-9は正常域。この患者さんは、いつから糖尿病になっていたのだろうか。

 グルコースを含まないヴィーンF500mlを点滴して、昼前の血糖を測定すると160mg/dlだった。ヒューマリンRで血糖を補正することにしていたが、意外に低値で拍子抜けした。まずは日内変動をみてからだが、内服薬にインスリンの補正で経過を見ることになりそうだ。

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