なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

食事か胃瘻か高カロリーか

2015年01月09日 | Weblog

 76歳男性2名が違う病棟に入院している。一方は小脳を含む脳梗塞を数回起こしていて今回も2か所に脳梗塞をきたした。嚥下訓練のゼリー食で両側誤嚥性肺炎になった。ムセらないので嚥下担当のSTが、食べられますといっていたが、反射もなく気管支・肺に落ち込んだだけだった。肺炎がやっと治ったが、絶食の期間が長くなるので、高カロリー輸液にして経過をみていた。この患者さんはほとんど発語もなく、寝たきり状態にある。経口摂取は無理だろう。経管栄養(胃瘻)か高カロリー輸液で継続の選択になる。家族が来ている時にその話をして、話し合ってもらって来週方針を決定することになった。胃瘻造設の内視鏡処置で誤嚥しそうなので、こちとしてもそのままそっと点滴だけにしたい。

 もう一方は前回誤嚥性肺炎で入院した。両側下肺野にかなりの広がりを持つ陰影だった、治ってゼリー食から開始して全粥刻み食まで食べられるので退院として、施設に戻った。戻って数日で発熱・痰がらみが始まって再入院した。この患者さんもどうするかだが、まだ経口摂取をあきらめる段階ではないと思われる。連休明けにもう1回嚥下をみて、誤嚥性肺炎をきたすようであれば、その時また家族と相談することにした。

 今日、94歳女性が療養病床のある病因へ転院した。胃瘻による経管栄養で寝たきり状態も長くなり、四肢はすっかり拘縮していた。たまにうなるだけで、開眼もしない。病院で適切なタイミングで喀痰吸引を行うと案外肺炎にならない。施設に入所して3か月間毎月誤嚥性肺炎になって入院したので、施設ではもうみれませんということになった。病院で過ごすとまだまだ生きるのかもしれない。

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