今日は80歳男性に内視鏡的胃瘻造設を行った。脳萎縮著明でラクナ梗塞もある。昨年9月に老人保健施設に入所したが、10月から毎月誤嚥性肺炎で入院した。今月は肺炎もちょっとあったが、経口摂取自体ができなくなっていた。奥さんに今後の治療についてお話しした。末梢点滴+可能であれば少量経口摂取、高カロリー輸液、経管栄養(胃瘻)の選択になる。発語はほとんどなく、寝たきり状態だが、このまま諦めるのはもったいないと思われる。痰の吸引がそれほど頻回ではないので、胃瘻になじんでくれるのではないかと判断された。
胃瘻を担当している消化器科の先生に内視鏡をお願いしたが、この先生もこの頃はそれほど行っていない。たぶん全国的にも一時よりは適応を選ぶようになったので、減少しているのではないか。以前当院にいた先生は500例超の胃瘻造設を行い、看護師さんからPEG職人と呼ばれていた。胃瘻造設はケースバイケースなので、適応をガイドラインとして作成するわけにもいかない。年令で区切るのも難しい。当院では80歳代後半から90歳以上については原則的に行わない(強い希望があれば要相談ではある)。絶食にしても喀痰吸引が頻回の場合は70歳代でも躊躇せざるを得ないので(腸までのチューブもあるが)、高カロリー輸液にして療養型病床へ紹介としている。
循環器科医が心嚢液貯留の患者さん(83歳男性、肥大型心筋症)に心膜穿刺を行ったら、血性心嚢液が引けたそうだ。明らかな肺癌はないと言っていた。細胞診待ちだが、癌以外の可能性としては何だろう。