なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

漢方診療ハンドブック

2015年01月22日 | Weblog

 昔持っていた「漢方診療ハンドブック」桑木崇秀著創元社(今回は2012年改訂版)をアマゾンで購入した。主な内容はそれほど変わっていないらしいが、製薬メーカーが変更になったりしたので、多少改訂しているそうだ。前に持っていた本をなくしてしまい(あったとしても紙質の問題で変色が著しい)、改めての購入になった。隠れたロングセラーで中国での訳本が出版されているという。確かに何冊か漢方の本を見たが、単著ということもあり、一番わかりやすい。

 今一番使ってみたいのは、麻黄湯と桔梗湯だ。自分は風邪をひくと、熱が内に籠ってまったく汗をかかない。2日くらいして発汗すると、そのまますっと解熱する。葛根湯を試したことがあるが、汗はかかず、全く効かなかった。

 耳鼻咽喉科の常勤医がいないので(大学病院から週3回半日午後にある)、急性化膿性扁桃炎を内科で診ることが多い。細菌性だと抗菌薬を使用するが、ひどい咽頭痛を何とかしてあげたいので、桔梗湯をぜひ使ってみたい。

 尿管結石の疼痛に対して芍薬甘草湯を1回だけ使ったが、少なくともボルタレン坐薬と同じくらいには効いた。排石を促すのに猪苓湯を使おうと思ったら、院内にはなかった(日曜日だったので院外で出せなかった)。夜間のこむら返りで困っている高齢者に数回芍薬甘草湯を使ったが、良く効いたそうだ。

 研修医の頃に、院内にあった茵陳五苓散を非代償性肝硬変で腹水著明な患者さんに使ったら、次の日には腹水がほとんど消失した経験がある。腹膜の生理的な吸収能をまったく無視した効果?で驚いたが、今にして思えばアクアポリンの問題なのだろうか。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする