なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

わからない肺陰影

2020年04月08日 | Weblog

 透析を受けている40歳代前半の男性は、2月末にインフルエンザ(A型)になり、いったん症状軽快した後に、再度発熱が続いた。

 3月初めに透析担当医が胸部X線を行って異常なしとしていた。3月半ば近くに内科を受診した時に確認する、左肺に淡い陰影が散布していたので、胸部CTで確認した。インフルエンザ後の肺炎(細菌感染)として抗菌薬を投与して、解熱・炎症反応の軽快を認めた。(先天性食道閉鎖の術後で食道の位置が違う)

 それで終わりかと思ったが、また発熱が続いた。左肺の陰影が軽快していたが、今度は右肺(S6)に淡い陰影が出現した。どういう機序かわからなかったが、抗菌薬投与でまた軽快した(と思った)。

 4月になって、高熱で夜間に救急外来を受診した。胸部CTで右肺に淡い陰影が広がっていた。当直医が新型コロナウイルス感染症疑いとして、保健所にPCR検査の依頼をした(前月からの経緯はわからなかったらしい)。

 大学病院から呼吸器外来に来てもらっている先生に相談すると、何らかのびまん性肺疾患で気管支鏡による精査を勧められた。やはりPCR検査陰性を確認してからの紹介がよいと言われた。

 CR検査は陰性だった。感度は60~70%らしいので疑いは残るが、1か月以上の軽快増悪の経過が合わないのではないか。地域の基幹病院呼吸器内科に紹介したいと連絡したが、この時期なので画像をみてから、判断すると言われた。(事務に依頼してCDを直接病院にもっていってもらった)すぐに入院精査とするほどではないそうで、外来に紹介してほしいという。

 患者さんは高熱で受診した翌日には解熱して、元気そうだった。家庭内で悪化して、病院に入院すると軽快するというのは過敏性肺臓炎の経過だが、入院はしていない。発熱した時に白血球増加を認めるが、CRPがまったくといっていいくらい陰性なのもよくわからない。専門医に診断してもらうしかない。

 

 

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