なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性虫垂炎

2020年04月18日 | Weblog

 木曜日に隣町の診療所から、急性虫垂炎疑いの42歳男性が紹介されてきた。紹介した若い先生は自治医大出身で、3月まで当院に勤務していた。義務年限の地域医療を絶賛遂行中になる。

 前日の午後10時から心窩部痛が出現して、下痢便(軟便程度)が2回出た。その後に嘔気・嘔吐もあった。翌日に診療所を受診して、身体診察で虫垂炎疑いと判断された。

 当院に4月から来ている若い先生(自治医大出身で初期研修終了後)が対応した。血液検査では白血球19400・CRP1.2と発症半日ちょっとに相当するような炎症所見だった。腎機能を確認して、腹部造影CTを行っていた。

 検査終了後に連絡がきた。軟便があったことと、CTで小腸壁が軽度に肥厚して消化液貯留があることから、腸炎かもと思ったらしい。下腹部全体に圧痛がありますという。

 診察すると、圧痛は右下腹部に限局して反跳痛もある。CTを確認すると、腫大した虫垂と周囲脂肪織の炎症像を認めた。虫垂炎でいいので外科と相談だと思っていると、放射線技師さんから若い先生のPHSに連絡が来て、虫垂炎のようですと言ってきた。若い先生が勤務し始めて間がないので、指摘してくれたようだ(技師さんは地域の基幹病院に勤務する先生の奥さん)。

 定年延長(3年)も終了して、今年から非常勤になった放射線科医が来ていたので、一緒に行って相談した。診察してCTを行う→放射線科医に診てもらってCT像を確認する→外科医に相談する、という流れを今回は一緒に行った。

 放射線科の向いにある救急室で、その日の外科当番の先生を確認しようとしたら、ちょうど救急搬入された高齢男性を診察していた。若い先生にプレゼンテーションしてもらって、外科で入院にしてもらった。一過性意識障害で救急搬入された患者さんは内科で引き継いで診ることにした。

 金曜日に無事手術(虫垂切除術)が行われたようだ。

 診療所の先生と4月からの先生は自治医科大学の2学年違いになる。初期研修後の数年は技量が大きく伸びていく期間で、指導する方も責任がある。

 

  

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