新型コロナウイルス感染症の影響が、患者さんたちにいろいろと出ている。入所している施設から外来通院している患者さん(高齢の認知症の方たち)は施設からの外出が禁止されている。家族が病院に処方箋をもらいに来て、薬を施設に届けている(入所者には会えない)。
57歳男性は、急性冠症候群でPCI治療を受けていた。糖尿病の処方はDPP4阻害薬とSGLT2阻害薬の合剤(トラディアンス)・メトホルミン(メトグルコ1500mg/日)・SU薬(アマリール0.5mg/日)で、HbA1c6.5~6.9%で推移していた。(できればSU薬を中止したい)
前回の2月はHbA1c7.6%と上昇して、年末年始の不摂生が加わったようだ。今回はHbA1c6.5%に戻っていた。体重が3kg減少したという。
営業の仕事をしていて、外回りは通常通りしているが(運動量は同じ)、発注がほとんどとれない。それがストレスになって食べる量が減ってしまったそうだ。血糖に関しては良くなってます、というしかない。
39歳男性は高血圧症・糖尿病で通院している。糖尿病の処方はほとんど同じで、DPP4阻害薬とSGLT2阻害薬の合剤(こちらはカナリア)・メトホルミン(メトグルコ1500mg/日)・SU薬(アマリール1mg/日)で、HbA1c6.9~7.0%で推移している。(SU薬の減量1mg/日→0.5mg/日~中止を目標にしている)
食事療法を頑張る時とそうでない時があり、前回は体重が増加してHbA1c7.3%になっていた。その後体重は同じで、今回もHbA1c7.3%だった。さらにHbA1cが上昇しないか心配だったそうで、とりあえず現状維持でほっとしていた。
仕事はタイヤ製造工場勤務で、現在操業は継続しているが、残業はほとんどなくなったそうだ。
再来の人数は多かったが、前日から次回の予約表を出したり、次回の検査項目をあらかじめ入力して準備していたので、なんと午前11時30分に終了した。(訴えの多い、時間のかかる患者さん?がいなかったことが大きい)
隣の市の警察署に拘留されている36歳男性が、3名の警察官に付き添われて外来を受診した(手錠+抑制帯付き)。1週間前に発熱があり、2日で解熱したが、その後咳が続いているという。
小児喘息の既往があり、成人になってからも風邪を引いた時に咳が長引くそうだ。聴診で軽度の喘鳴が聴取された。喘息症状としての咳だった。鎮咳剤と吸入ステロイド(ICS/LABA)のレルベア処方して、2週間は吸入を継続してもらうことにした。
隣の市からわざわざ当院に連れてきたのは、新型コロナウイルス感染症の可能性もあるからということらしい。内科の責任者なので、拘留中の容疑者が受診した時に診察する係り?になっている。