なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

非けいれん性てんかん発作

2020年04月17日 | Weblog

 糖尿病・高血圧症・脂質異常症で通院している現在82歳男性。2年前の外来予約日に娘さんがいっしょに診察室に入ってきた。普段は患者さんが一人で診察室に入ってくる。これまでも、病院の送り迎えは娘さんがしていたそうだ。

 診察室に入ってきた娘さんは、認知症ではないかと言った。その前年から、活動量が減少して、ずっとぼんやりしていておかしいという。薬のせいではないかとも言っていた。

 確かにこれまでも受け答えには無関心な印象があった。名前を呼ぶと診察室にちゃんと入ってくるが、自分から話すことはない。血糖値の説明をすると、そうですかと言うだけで、さっと帰ってしまう。

 年齢的には認知力障害なのかという気もしていたが、一番忙しい外来日なのでそのままになっていた。頭部MRI検査では軽度のの王委縮があり、長谷川式は21/30点だった。娘さんの希望で、神経内科外来に紹介した。

 神経内科外来受診時に意欲の低下・反応性の低下を認めて、さらに診察時にボーッとして反応がない状態があり、てんかんが疑われた。

 脳波検査で左前頭部に律動性δ波・単発性sharp waveを認めて、局在性てんかんと診断された。抗てんかん薬(イーケプラ1000mg/日)が開始されて、症状は改善した。非けいれん性てんかん発作と診断確定された。

 その後の外来でも、血糖の結果を聞くと、そうですかと言ってすぐに帰ってしまうのは変わらないが。

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