なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

大腸癌・肝転移

2024年10月03日 | 消化器疾患

 誤嚥性肺炎で入院している80歳代後半の女性は、聴覚言語療法士(ST)が嚥下評価・嚥下訓練をしていたが、嚥下は難しそうだった。

 この患者さんの向かいのベットに黄疸の患者さんがいた。現在は内科の別の先生が診ているが、もともとは地域の基幹病院から骨折後のリハビリで転院してきていた。

 6月末に転倒・打撲して右脛骨高原骨折を来して、先方の病院の整形外科に入院した。2年前に大腸癌(盲腸癌)で手術を受けて、術後に多発性肝転移があり、腫瘍内科で抗癌剤治療を行っていた。5月に抗癌剤の副作用で継続できなくなった。

 そういう事情もあり、骨折は保存的治療となっていた。7月初めには1当院のリハビリ病棟に転院となった。後から見ると、当院転院時から肝機能障害があった(AST 68・ALT 25・LDH 482・ALP 578・γ-GTP 1027・総ビリルビン0.5) 。

 8月になると発熱があり、CTで肝内転移と肝内胆管の拡張を認め、肝機能が一気に悪化していた(AST 113・ALT 36・LDH 2166・ALP 1081・γ-GTP 1800・総ビリルビン0.8)。(単純CTなので低濃度域の転移巣がわかりにくい。その後腎機能障害が進行して造影し難くなった)

 リハビリ病棟の整形外科患者は多いため、内科も担当医となって処方を行うことになっている。内科転科となり、その先生が主治医となった。

 胆管炎の治療で発熱は抑えられているが(時々熱発あり)、肝機能がさらに悪化して黄疸が進んでいた(AST 501・ALT 159・LDH 1814・ALP 1814・γ-GTP 1237・総ビリルビン15.3)。

 結局大腸癌術後再発の緩和ケア(終末期ケア)となった。担当医としては「こんな病状でリハビリ転院もないだろう」といっていたが、いずれそれで当院紹介になった可能性が高い。

 

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