なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

低蛋白血症・尿蛋白陽性

2017年02月16日 | Weblog

 78歳女性が下腿浮腫と体重増加で内科新患を受診した。1か月前からあるそうだ。クリニックで利尿薬(ラシックス)を処方されたが、症状が変わらないという。

 胸部X線・心電図は異常がなく、肝機能・甲状腺機能は正常域で、炎症反応陰性だった。血清蛋白5.9g/dl・血清アルブミン3.0g/dlの低蛋白血症・尿蛋白陽性(2.1g/gCr)で、ネフローゼを呈していた。血清クレアチニン0.6mg/dl。年齢的には膜性腎症を考えるのだろうか。

 ちょうど腎臓内科外来(大学病院から)があったので、直接診察をお願いした。外注検査(抗核抗体・補体・血清蛋白免疫泳動など)が追加になって、来週の外来予約になった。貧血(Hb9g/dlで正球性)があり、骨髄腫も気になるようだ。高齢だが、理解力充分・ADL良好で、精査(腎生検)を考慮と記載されていた。お任せだが、正解は何だろうか。

 今週MRさんから、自社のMR向けに糖尿病の話をしてほしいという話があった。「糖尿病専門医にお願いたらいいんじゃないですか」と言うと、「いやいや一般医家の話を聴きたいんです」と言われた。昨年も別の製薬会社のMRさんから同じことを言われた。スライドの準備をするのも面倒なので丁重に断った。たぶん他の病院の先生にも、同じ依頼をして断らわれたのだろう。こういうのが流行りなんだろうか。

 糖尿病専門医より学術的な内容ではだいぶ劣るが、余計なことを盛り込んで面白い話ならできそうだ。病院の職員向けの話でも使えるので、スライドを作成しておくのもいいかと思った。自分用のまとめにもなるし。

 

 

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糖尿病腎症の講演会

2017年02月15日 | Weblog

 昨日は腎臓内科医の講演会を聴きに行った。慢性腎臓病chronic kidney disease(CKD)は、2002年に腎臓内科側からではなくて、アメリカ心臓協会american heart association(AHA)が言い出したことだそうだ。透析治療の現状と糖尿病腎症のお話だった。

 CKDはの重症度は、原因(Cause:C)、腎機能(GFR:G)、蛋白尿(アルブミン尿Albuminuria:A)によるCGA分類で評価する。要するに、糖尿病とそうでないもの(高血圧、腎炎、多発性嚢胞腎、移植腎、不明、その他)に分けている。

 CKDの診断は、1)尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害が明らかなもの、特に蛋白尿が重要。尿蛋白0.15g/gCr以上で、糖尿病ではアルブミン尿30mg/gCr以上 2)eGFR60ml/分/m2未満

 CKDを腎臓内科専門医に紹介するタイミングは、1)高度の蛋白尿(蛋白尿0.50g/gCr以上、または2+以上)、2)蛋白尿と血尿がともに陽性、3)eGFR50ml/分/m2未満(40歳未満では50ml/分/m2未満、70歳以上では40ml/分/m2未満)。

 糖尿病があると顕性アルブミン尿で全例紹介になるが、そうもいかない。紹介しても、経過をみて悪化した時にまたご紹介下さいになってしまうだろう。

 高血圧症や糖尿病の治療と別に、腎障害そのものを改善する薬剤の開発もされているそうだが、実用的なものは今のところない(副作用で中止など)。腎症の進行の早いfast progressorがいて、短期間で透析導入になってしまう。一方で高齢の糖尿病患者さんで、中年の時から血糖コントロールが良くないのに、それほど合併症が目立たない方もいる。レガシー効果と言うが、体質的なもの?。

 尿蛋白陽性の糖尿病患者を糖尿病腎症と診断してよいかという問題があり、他の疾患との鑑別を要する場合がある。教科書に載っているが、座長から恒例の「会場から質問を」と言われたので、座を盛り上げるために質問した。

 教科書的には、1)罹病期間が5年以下、2)網膜症がない、3)尿潜血も陽性、4)急な尿蛋白の出現、5)尿蛋白が非常に多い(5g/日以上、要するにネフローゼ)、6)急激に腎機能が悪化、7)炎症反応、補体異常を伴う、など。

 現在担当している糖尿病腎症の患者さんでは、ひとりが透析導入寸前、ひとりがネフローゼの悪化で困っている(前者は手遅れだが)。

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胆管細胞癌

2017年02月14日 | Weblog

 昨日救急当番だった消化器科医が、2名入院するので、次の救急車の患者さんを診てほしい連絡してきた。その2名の患者さん。

 ひとりは90歳男性で、内科医院から心窩部重苦感・食欲不振で紹介された。肝機能障害があって、3年前に総胆管結石で入院した時と同じでしょうかという紹介だった。その時は当方が担当していた。

 診断はすぐについて、胆嚢結石・総胆管結石があり、胆道感染を併発していた。内視鏡治療のできる消化器病センターのある病院に連絡したが、ベット満床で受け入れできなかった。やむなく、当院入院で抗菌薬投与を開始したが、血圧が低下した。もう一度連絡したところ、ベット満床は同じだというが、引き受けてくれた(そこは廊下にベットを置いて治療する裏ワザを使うそうだ)。

 内視鏡的に総胆管結石を摘出されたが、年齢的に胆嚢結石はそのまま経過観察となった。治療後は当院に戻ってきて、静養して歩行可能になったところで退院していた。

 今回はというと、肝左葉に腫瘤があった。肝炎はなく、腫瘍マーカーはCA19-9が1000と高値で、画像としては胆管細胞癌と診断された。この年齢だと、治療はないだろう。消化器科医が気にしていたのは、腫瘍は肝表面に達していて、そこに出血をきたしているのではということだった。

 3年前に診た患者さんと言われてもすっかり忘れていたが、当時ベット満床でも受け入れてくれたことは憶えていた。今でもお世話になっているありがたい病院だ。

 もうひとりは、88歳女性で、自宅内で「動けない・食べられない状態」になっていた。筋原性酵素が上昇して、腎機能障害もある。低体温だったが、せき込んでいたので時節柄インフルエンザ迅速試験を提出したら、A型陽性と出たそうだ。軽度だが肺炎も併発していた。内科で診てもいいのに、自分が救急で受けたので、そのまま主治医になっていた。そんなにかかえ込むと身体を壊しますよ。

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中年女性の下腹部痛

2017年02月13日 | Weblog

 病棟の入院も落ちついていて、インフルエンザの高齢者3名も今日・明日・明後日と退院が決まった。医局で糖尿病腎症の本を読んでいると、消化器科医から連絡が来た。午後の救急当番をしていたが、2名消化器科に入院するので、今から救急搬入される40歳代半ばの女性を診てほしいという。大腸検査もあるというので、検査入れ過ぎだ。

 救急搬入された時には、下腹部痛は治まっていた。スーパーで買い物をしていて、下腹部に痛みが生じた。数分で激痛になって立っていられなかったそうだ。店員さんが急救急要請してくれた。救急隊到着時は顔面蒼白だったという。

 腹部は平坦・軟で圧痛がごく軽度にあるというが、違和感程度のようだ。嘔気があったので、点滴とプリンペラン注をした。小球性の貧血があるが、炎症反応などに異常はない。腹部エコーで右卵巣は腫瘤?といっていいように見えた。茎捻転が少し戻った状態を想定した。子宮が腫大しているが、明らかな結節性の筋腫はない。

 腹部造影CTで確認することにして、婦人科医にも来てもらった。右卵巣は腫瘤というほどの大きさではなく、まず捻転の心配はないという。子宮は確かに腫大していて、腺筋症が疑われるそうだ。

 過多月経が続いていたようだが(量も多く1週間継続)、さすがに年齢が進んで、月経血の量は少なくなっていると言っていた。今日は月経4日目にあたるが、婦人科医の話では月経血の排出時の痛みかもしれないそうだ。画像でみると、便秘が目立つが、昨日排便があり、患者さん自身はそれほど苦にしていない。

 鉄剤の下剤(+酸化マグネシウム)を処方して、2週間後に外来予約とした。婦人科外来の予約も一緒に入れてもらった。

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かぜ診療マニュアル第2版

2017年02月12日 | Weblog

 昨日は日直をした後に病院に泊まって待機していたが、内科系の入院はなかった。当直の先生(外科)から、顔面神経麻痺の80歳代女性のことで相談を受けた。頭部MRIで異常がないのを確認して、特発性末梢性顔面神経麻痺として(3日分処方)、週明けに神経内科外来受診とした。

 日中から雪が降っていたが、夜になっても降り続いていた。深夜帯で車のスリップ事故の救急搬入が2件あった。いずれも電柱に衝突していた。40歳代男性は軽傷だったが、30歳代男性は左大腿骨破裂骨折+坐骨骨折・恥骨骨折・肋骨骨折で重傷だった。内臓損傷なしと判断されて、当院整形外科入院となっていた。これは大変そうだ。70歳代男性が早朝の散歩中にすべって転倒して、頭部打撲(皮下血腫)というのもあった。

 「かせ診療マニュアル」の第2版を読んでいる。初版より150ページ増。10日にファイザー製薬の「若手医師セミナー」で著者の山本舜悟先生の講演があったので拝聴した。著者の講演を聴くと、その口調を覚えているので、著書が読みやすくなる(ケアネットのDVDを持っているので繰り返し聴けるけど)。1週間楽しく読めそうだ。

 インフルエンザで見られるインフルエンザ濾胞は本当に役に立つ。インフルエンザ様の症状があって、インフルエンザ濾胞があると、検査はいらないと思うが、患者さんが検査を希望されるので、結局検査してしまう。たまに、家族にインフルエンザの罹患者がいて、患者さん自身もインフルエンザの症状がある時に、「検査は不要です。あなたもインフルエンザです。」に納得してくれる場合もあるが。

 イナビルはプラセボと比べて治療効果がないとされているが、当院ではイナビル処方が圧倒的に多い。検査でインフルエンザ陽性と出ると、現実的には抗インフルエンザ薬を処方しないという選択は難しい。

 救急外来の看護師さんから「患者さんがインフルエンザの検査をしてほしいって言ってますが、やっておきますか」と連絡が来ると、「やっておいて」と言ってしまう。好ましくないが、救急搬入の患者さんを診ている時とか、病棟に呼ばれている時はとっても助かる。はい、本当はダメです。

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雑多な診療でした

2017年02月11日 | Weblog

 今日は日直で病院に出ている。通常土曜日は、午前中は開業医の先生方が診療しているので受診者は少なくて、午後から受診者が増える。今日は祝日(建国記念日)で当番医しかやってないので、午前中から受診が多かった。

 インフルエンザ迅速試験だけやっているような診療だった。救急搬入は2件。ひとりは70歳代後半の男性で、新年会で飲酒して(ふだんは飲まないそうだ)、嘔吐して一過性に意識消失した。救急隊到着時は意識は回復していたが、血圧70台と低下していた。昨日から風邪症状でかぜ薬を飲んでいたそうだ。搬入時も血圧は同じだったが、点滴しているうちに100台になった。ふだんも血圧は100ちょっとという。血液検査で貧血もなく、点滴2本目の途中で帰宅になった。

 もうひとりは現在も警察拘留中の30歳代前半の男性で、弁護士との接見中に倒れて、過呼吸状態になった。これで3回目の当院救急搬入で、当方とは2回会ったことになる。安定剤の点滴静注で、ひと寝入りして、過呼吸は治まっていた。警察で精神科や心療内科にも受診させていた。症状があれば、その都度病院を受診させないと弁護士から何かと言われるそうだ。

 血液透析を受けている70歳代後半の男性が発熱と喘鳴で受診した。聴診しなくても喘鳴が聞こえた。下肢の浮腫もあるが、程度は普段とかわりないそうだ。昨日透析に来ていて、年1回の胸腹部CT検診があった。画像をみると、両側胸水がある。肺うっ血・肺水腫の悪化による喘鳴も考えたが、今月初めの(症状がない時)胸部X線でも両側胸水が軽度にある。今日胸部X線をとって比べてみたが、両側胸水は今日の方が少ない。

 外来サマリーに肺気腫があり、喘息もと記載されていた。ACOSということらしい。インフルエンザ迅速試験でA型陽性と出た。炎症反応の上昇はウイルス感染だけでは説明できない値なので、細菌感染併発が疑われる。ネブライザー吸入を行うと喘鳴は軽減した。「いまさら訊けない透析患者薬剤の考え方、使い方」によると、イナビルだと常用量になる。喘鳴がまだあるのでタミフル内服にしたが、タミフルの場合は75mgの単回投与だった。抗菌薬はレボフロキサシンにして、初日500mgでその後は1日おきに250mg投与になる。解熱薬のアセトアミノフェンは通常量で使える。気管支拡張薬はβ2刺激薬吸入にした。

 木曜日に意識消失で救急搬入された女子中学生は、翌金曜日の当直帯でまた救急搬入されていた。自宅でピアノを弾いている時に意識消失した。搬入後に、意識は回復した。その後、聴覚障害や視力障害で小児専門病院を受診して、心因性の症状と診断された既往があることがわかった。2回目の脳波検査でも異常はなく、小児科では「心因性非てんかん性発作」という結論になった。救急で診た時に、疼痛刺激でもぴくりとも動かなかったが、大したものだ(何が?)と感心した。

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わからない肺炎を紹介

2017年02月10日 | Weblog

 80歳代半ばの女性が先週の初めに、発熱・咳・痰を訴えて受診した。この方は昨年7月に外来で肺炎の治療をして、10月には肺炎で入院した。今回も同じ部位(右S5)に浸潤影を認めたが、今回は右S10にも浸潤影があった。

 昨年7月、微熱・咳・痰で受診した。炎症反応がほとんど上がっていない。胸部CTで右中葉S5に変な浸潤影を認めた。外来でクラビット内服を処方して、症状が軽快した(と判断した)。

 昨年11月にも同じ症状で受診して、同部位に浸潤影があった。軽度の白血球数増加と軽度のCRP上昇があり、入院でABPC/SBTの点滴静注をして、症状軽快して炎症反応も改善したので退院とした。

 今回は右S5の浸潤影と右S10の浸潤影で、前者のべったりとした陰影と違って、後者はいかにも肺炎様だった。白血球数正常で、CRPは軽度に上昇していた。喀痰が出せず、培養はできなかった、比較的元気だったのと、他に入院する患者さんが複数いて、外来で治療を開始していた。外来でグレースビット内服で経過をみて、いったん症状が軽減してCRPが少し下がったが、今日は症状もありCRPが少し上がっていた。

 これまでの経過を考えて、細菌感染なのかどうか、わからなくなった。入院してもらって、抗菌薬点滴静注(何にするか、PIPC/SBT?)で経過をみるのもあるが、地域の基幹病院呼吸器科に紹介することにした。

 誤嚥性肺炎をきたす部位ではあるが、誤嚥するような患者さんではない。器質化肺炎はこんな部位に起きるのか。非結核性抗酸菌症(NTM)だとしたら、ニューキノロンはまずかったことになる。

 

 

 

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女性中学生の意識消失

2017年02月09日 | Weblog

 14歳の女子中学生が意識消失で救急搬入された。音楽の授業中で30分ほど歌を歌っていたそうだ。くずれるように倒れて、けいれんはなかったようだが、意識が回復しないので救急要請された。教員2名が付き添ってきていた。

 この子は2週間前にも同様の症状で救急搬入された。その時は体育の授業中だった。搬入時も意識がなく、10分ほどしてから意識が戻った。小児科で脳波検査を行ったが、異常なしだった。春休みの脳波を再検することになっていた。

 今日も搬入時に意識がなかった。バイタルは正常。疼痛刺激でも開眼せず、四肢もまったく動かなかった。前回の血液検査でも異常はなかったが、一般的な検査を提出した。前回脳波以外は画像検査していなかった。

 頭部CTを始めるころに、開眼して意識が戻ってきた(搬入後18分)。ぼんやりとした様子だが、会話もできるようになって頭部MRIを行うことにした。MRIは動静脈奇形も、もやもや病もなく、異常なしだった(放射線科で読影)。

 前回診察した小児科医に連絡して診てもらった。予定より早めに脳波検査の再検を行うことにしたようだ(小児神経の先生)。

 2年くらい前に心因性非てんかん発作で何度も救急搬入された17歳女子高校生がいたが、この子はそうではない。そういえばあの子はという話が出たが、最近来ていない。高校を卒業して、当地にはいないのかもしれない。

 大学の病理で研究している頃(臨床からの派遣で学位研究)、病理解剖の助手(病理医の手伝い)で入っていた。17歳女子高校生が意識消失である病院に搬入されて、頭部CTで異常なしとされた。症状が消失して帰宅した。その1週間後に再度意識消失して、その時は頭蓋内出血をきたしていた。呼吸停止となって、1週間の人工呼吸後に死亡した。解剖の結果、脳動静脈奇形破裂からの出血と判明した。脳が溶けていて病理標本が作製できなかったので、残っていた異常脳血管を教授カンファランスに提出した。

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またインフルエンザ+肺炎

2017年02月08日 | Weblog

 内科外来に高血圧症などで通院している82歳男性が、発熱・咽頭痛(イライラくらい)・咳(若干)で内科新患を受診していた。担当の先生(大学病院から応援)から、炎症反応が上がっていますと言われた。胸部X線で肺炎像はないが、せフトリリアキソンを点滴しているということだった。内科再来(予約+臨時に受診)などで忙しく、すぐには診られないので、点滴を追加して午後からに診察とした(時間稼ぎの術)。

 午後から診察して、微熱だが時節柄インフルエンザ迅速試験を提出すると、A型陽性だった(予防接種はしている)。炎症反応が高いので肺炎併発を考慮して胸部CTを行うと、右肺のS6に浸潤影を認めた。これが単純X線を見返しても指摘できない。

 奥さんと二人暮らしで、奥さんの家で見たくないという希望もあり、本人は通いで治らないかと言っていたが、入院となった。昨年の同時期に肺炎で入院していて、肺炎球菌ワクチンもしている方ではある。普段は元気に畑仕事をしているので、1週間で治るだろう。

 またまたラピアクタ点滴静注とセフトリアキソンて点滴常駐で治療を開始した。月曜日から同じ治療の繰り返して、これでスリーカードになった。

 胃瘻造設による経管栄養をしている脳血管障害後遺症の84歳男性が、下血(赤茶色っぽい液状の便)で受診した。虚血性腸炎かと思ったが、腹部CTでみるとS状結腸に全周性に丈に低い腫瘤があるように見える。腫瘍マーカーは陰性だった。入院して、浣腸くらいの前処置で大腸内視鏡検査(S状結腸まで)で確認することにした。

 同年代でも、この二人はADL/QOLが大分違う。

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インフルエンザ、胆管癌

2017年02月07日 | Weblog

 朝病院に来ると、救急車が搬入を終えて帰るところだった。昨日は外科医が当直だった。医局にその外科医が戻ってきて、発熱と脱力の90歳代男性が搬入されて、とりあえず検査を出したので、診てほしいと言われた。画面で見ると、インフルエンザA型陽性と出ていた。提出した先生も結果はまだ見ていなかったので、そうでしたかということになった。

 胸腹部CTと頭部MRIとフルで検査を入れていた。白血球数増加とCRP上昇が目立ち、胸部CTで明らかな肺炎像はないが、細菌感染併発を考えて治療した方がいいようだ。頭部CTは脳萎縮のみで、新規の脳梗塞はなかった。内科病棟の個室はナースステーションから一番遠くにある個室しか空いていない。ご本人は難聴があるが、案外しっかりしていて、付き添いや抑制なしで過ごせそうだった。

 昨日の80歳代後半の男性(COPD)が、インフルエンザで個室(隣の部屋)に入院した。この方も炎症反応がインフルエンザだけでは説明できないくらい上昇していたので、ラピアクタ点滴静注とセフトリアキソン点滴静注で治療を開始した。今日は解熱して、元気になってきた。芸がないが、今日も同じ組合わせで治療を開始した。ワンペア状態だ。

 そういえば昨日帰るころに、その外科医が隣町の病院からの紹介患者さん(80歳代後半の女性)を受け入れていたが、どうなったのかと思った。診断は胆管癌で、基幹病院の消化器内科に連絡をとっていた。CTとMR(MRCP)の画像を見ると、上部胆管に腫瘤があり、左右の肝管に浸潤しているようだ。治療はたぶんステント挿入だが、どう処置するのだろう。画像は教科書的だった。

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