Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

バレエ・リュス展

2014-06-21 19:48:00 | いろいろ
6/23追記書こうと思っていたのに忘れていたことを思い出したので追加しておきます。

ロイヤルバレエによるバレエ・リュスを見て感動したのは、牧神やバラの精の男性の踊りと、それから全編を通してその衣装でした。形や柄がシンプルで大胆で、いわゆるドレスに何か得体の知れない要素がミックスされているもの、として記憶してます。コチラは牧神の午後のニンフ



見た頃に大好きだった服のブランドのひとつ、ELEY KISHIMOTO/イーリー・キシモトみたいだなあ!と思いました。モダンなテキスタイルデザインを得意としてイギリス人のイーリーさんと日本人の岸本さんによるブランドだから、やはり東西文化のミックスですし。

それと、洋書屋さんでよく見かけるPaper Dolls=きせかえシリーズにも「ディアギレフのバレエ・リュス」と「パヴロヴァとニジンスキー」というのがありまして、ニジンスキーのが欲しくなりました。
ぜんぶニジンスキーに見える・・・

牧神ちゃん衣装ももちろん!しかし全身タイツや青塗りだと、もはや衣装ではなくもう1体のお人形のようですね。


6/23追記ここまで



国立新美術館に行って来ました。バレエ・リュス展 → 公式ホームページ


*館内で無料配布しているチラシ(左)展示目録(右の下)プチガイド(右の上)

バレエ好きの人で、衣装から入った人も私だけではないと思うのですが、「バレエの衣装だけ」の展覧会というものはあまりないんじゃないでしょうか。バレエを見に行くと劇場内に有名なダンサーが着ていた衣装が飾ってあったりもしますが、美術館でまとまって見るのは私は初めてです♪

バレエ・リュスの活動期間は短く、20世紀初頭のたったの20年間。ですので展示の衣装はほとんど約100年という古いものです。所蔵するオーストラリア国立美術館に大感謝です。

というのは、ただの布や服でも、数10年もたてば劣化して、ちょっと糸を引っ張ると簡単に切れてしまうからです。変色もしてしまいます。しかもバレエの衣装は、ビーズやブレードなど装飾品も多く縫い付けてあるし、ダンサーが汗びっしょりになって着たものです。しかし縮むので洗濯もできません。特にバレエ・リュスの美術はバレエの歴史の中では革新的なので、衣装も実験的な素材や形も多く、それはもう、保存に適さない条件の宝庫だからです!

*では、どんなものがあるのか、上の写真右のプチガイドを広げるとわかりやすい説明が!
写真はクリックで拡大します。


それまでのバレエ衣装はヨーロッパの伝統衣装=プリンセスや妖精の世界だったのが、

①半分アジアのロシアをはじめ、中東や中国まで、エキゾチックな憧れの外国の民族衣装
②ニジンスキーなどスター男性ダンサーのための主役衣装(それ以前の主役は女性ダンサー)
③ロシア革命により、現代的な労働者の服までが衣装に
④舞台衣装を専門としない芸術家にも依頼した(ローランサン、シャネル、キリコなど)

などの点で画期的で、芸術の都パリで大人気だったとのこと。

衣装じゃないけど、ジャン・コクトーもポスターを描いたり、音楽もバレエ専門の作曲家ではないストラビンスキーに依頼したり、当時の最先端アーティストのコラボ作品としてのバレエ興行だったのです。なんて羨ましい!昔、モーリス・ベジャール振付け、衣装ヴェルサーチェ、音楽クイーン&モーツアルトによるジョルジュ・ドンへのオマージュ「バレエ・フォー・ライフ」という舞台を東京で見たことがありますが、どこをとってもときめく魔法の国を見ているようでしたよ~きっとそういう作品をバレエ・リュスは作っていたのだと思われます。

私はニジンスキーのファンで、ロンドン滞在中にロイヤルバレエがディアギレフ没後75周年記念で組んだバレエ・リュス特集を見に行きました。



「バラの精」と「牧神の午後」を含む4作品を、この時はロイヤルボックス席で見たのです。今見たら、66ポンドって書いてある・・・オーケストラストール(アリーナ席)よりも安かったロイヤル体験だったのか・・・すっかり忘れてた。その時のこのパンフレットに載ってるニジンスキーの写真がイケメンなんですよ~猫のようなしなやかポーズにこの顔・・・



これは「イ-ゴリ公」の衣装なんですが、このたびの展覧会でも同作品より「ポロヴェッツ人の戦士の衣装」が展示されていたのですが、私はこの写真を持って行ったわけではないので、あの衣装がニジンスキーが着たものなのかどうか特定できませんでした~ああ、悔しい、もしそうだったら、もっと近寄ってよーく見てクンクンしてみたかったのに!

最後にもうひとつの心残りは、出口のショップの中にバラの精のニジンスキーのカキワリがあって、一緒に写真を撮れるようになってるらしいのに、ひとりだったし、全然写真用とは気づかず通り過ぎてしまったことです。出口の所なのでそこにまた行けさえすれば入場券は必要ないとのことなんですけども・・・行けるかな~~~