Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

BEAT 感想

2014-10-22 23:52:00 | ベン・ウィショー
6月のショートショートフィルムフェスティバルで見たベン・ウィショーの「鼓動」(原題:BEAT)をWE ARE COLONYサイトで購入してもう1度見ました。(英語のみ)

フィルムフェスティバルでは、無料で大きいスクリーンで見られたのはとても嬉しかったです。本来は作品だけを見て感想を書きたいところですが、「ウィショーくんの表情と動きがよかった」以上なにをどう書いてよいのかわからない台詞らしい台詞もない内容でした。

WE ARE COLONYではキャストやスタッフのインタビュー、監督/ライターさんがウィショーくんに送った脚本代わりの企画書のような資料も購入すると見られるので、作品について意図などがわかりようやく書きたくなってきました!

BEATは都会に生息する一見変な人、住人と共存しているのだけれど、孤独の世界に生きてもいる、ある意味では雑音のような人の行動を追っています。

それがウィショーくんの動きだと、心臓と神経&筋肉が直結しているかのように、動物のように踊るのです。彼が内なる世界に生きているのは、映画を見ればわかるのですが、ウィショーくんだから目が離せない。

ロンドンには実際にそういう人がいます。普通に見れば酔っ払いか麻薬でも(ウィショーくんはシリアルに牛乳かけて食べてるだけなんだけどW)やっているのかと思い見て見ぬふりで通り過ぎます。映画の中でもそういうシーンはでてきます。そこまではいいけど、踊って陶酔して周りが見えない世界に入ってしまった時、物理的に存在してる世界から蹴りを入れられてしまうのが辛い。

ウィショーくんのアップの表情には、自分の世界の至福と、拒絶された世界からの傷が、両方浮かんでいる。


WE ARE COLONYはインディー映画やその舞台裏シーンなどを配給するサイトです。ベネディクトの「僕が星になる前に」(THIRD STAR)やLITTLE FAVOURもここで色々な映像を披露してますね。

登録や1部のコンテンツは無料、本編などは有料でクレジットカードかPayPalで購入します。ホームページから名前とメールアドレスを入れておくと、メールで招待状が送られてきてサイトに入れるという仕組みです。

BEATは$3.99です。


都会、ロンドンと一口に言っても、ここに出てくるのはハックニーという、少し前まではただの貧困層の住む町でした。私が住んでた21世紀の初めには、ロンドンで唯一チューブが通ってない区でした。しかし東の安い地域にクリエイターが集まり出しトレンディなイーストの顔ができ、それがさらに北に拡大して、なんとインタビューで監督が言ってましたが今やウィショーくんが住んでいると?!そんなすごい町になったのか?!・・・とはいえ、もとの有色人種も多い、ユダヤ人街も近い、人口は多くて町も古いんだけれどやっぱり間違ってもイギリスに憧れる観光客など足を踏み入れることのない、ちょっと恐そうな町の顔は相変わらずです。(名誉のためにいっておきますが、だからおもしろいし、歴史もあって、ベネディクトがライオンの像を眺めていたAbney Parkもこの地域にあります。私もフラットを探しにいくつか物件を見ました。決めて入居前の掃除にまで行った部屋もあったのですが、トイレが壊れていて古い建物の場合水回りの修理は長くかかるリスクがあるので残念ながら諦めました。)


最後に、監督とのQ&Aの記事があったのでご紹介します。
ideastap
記事には、作品の意味のほかに、ウィショーくんの出演がかなった縁の話、ウィショーくんが2日しか撮影にとれなかったこと、振付師がついたこと、撮影には音楽は使わなかったこと、それはウィショーくんが内面から出る感覚を大事にしたかったから、16ミリフィルムで道路の反対側からカメラで追ったこと、登場人物にはキャストもいるが撮影とは知らない一般の人も入っていること、中にはウィショーくんの演技に騒ぎ出す人もいて説明するのが大変だったことなどが書かれていて、映画のことがよくわかります。


写真はideastapより