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写真には写ってないけど、羊さんもいたんだよね
娘の誕生日でロンドンでの育児生活を思い出したので、それもこの機会に少し書いておくことにします。
ロンドンで育児をしてよかったと思います。
まず散歩として街を歩く機会が多かったこと。通学・通勤をしたらできなかったと思います。6年間に1ヶ月の短期も含めると6つのフラットに住んだので、その近所はそりゃあもう歩きに歩きました。赤ちゃんの時は子供は自分では動けないわけですから、私が行きたい所へ行き放題です。当時、古着の買い付けのお仕事をちらっとしていたので、散歩の域を超えカムデンやグリニッジのマーケットや古着屋へもベビーカー押してぐるぐると。。。怪しい。
それと子供を通して地域の住民となれたことです。
たぶん日本でも同じですが、独身者の生活って近所付き合いはない。外国暮らしだと昔からの友達もいないし、家族親戚もなし。ところが子供がいると、犬の散歩と同じで周りの人と話がしやすいんです。フラットの管理人のおばさん、住人のお年寄り、両隣のおばさんと世間話したり、地域のお祭りに参加してイギリスの普通の暮らしを体験しました。
育児生活が充実していた理由のひとつにPlay Groupの存在があります。
地域の児童館のような集まりがあり、子供を遊ばせながら、大人はお茶をしながら社交や情報交換をします。日本の児童館と違うのは、各Groupが、規模も、そこを統括している個人の裁量で活動内容もまったく違うことです。個人主義の国なので、そこのリーダーの決定権が大きいのです。あとはその地域にある建物を利用するので、私の経験では都心のウェストミンスター区では荘厳な建物でゴージャス感がありました。
Play Groupは子供のいる家庭のサポート活動もするので、子供を遊ばせるだけでなく、バス遠足や、観劇、施設で開催しているクラスに子供と親が無料か低料金で参加できました。政府から助成金が出ていたからです。例えば、
遠足・・・サファリパーク
ビーチ
イチゴつみ
乗馬体験
観劇・・・ローカルな劇場
オペラハウスでバレエ
クラス・・・キッズヨガ
大人ピラティス
大人ハーブコース
大人陶芸
大人クッキング
育児クラス
その他・・・マッサージ
大人のみのクリスマスディナー
こういうイベントがなくても、セント・ジェイムズ公園の近くに住んでいた時は、子供を遊ばせていると宮殿の楽隊マーチが来たり、戦争記念日には頭上をイギリス空軍の飛行機がアクロバット飛行していったり、女王様のお膝元で暮らしている感がありました。
キングスクロス界隈に引っ越した時にはロイヤルな雰囲気からは離れてしまったけど、上の写真のコーラムズ・フィールドという子供のための大きな施設があり毎日のように行きました。ロンドン大学、ブルームズベリーも近く、ディケンズやヘンデル博物館などへ子供連れで行けたし、サドラーズウエル劇場も徒歩圏で夜夫が帰宅したらバレエを観に行けた。子供の小学校はちょっとワケあり子供の足で徒歩30分のコベントガーデン地区だったので、劇場がたくさんありました。今思うと、あの時お芝居に興味を持っていたら天国だったのになあ!毎日学校へ送り迎えしていたのに~。
その時には、ベビーカーがあると狭い店やカフェには入れない、とか、夜の外出は夫の協力なしにはできない(それは今もまだある)とか、それなりに大変だったのだけれど、子供の世界を通して、独身の時よりもディープな地元生活ができたと思います。