ネタバレ感想ですので嫌な方はスルーしてね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/c0/3a7c71504056d3aac0cc349398278cd0.jpg)
本日公開、さっそく劇場でこのポストカードをいただいて来ました。
私は本編だけは見ていたのですが、この劇場公開では、
●特典映像1:「脚本家スティーヴン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」(約6分)
●本編:『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(約93分)
●特典映像2:「シャーロック製作の裏側~主要キャスト・スタッフとともに」(約16分)
上映時間計:約115分
(公式より)
と、海外旅行のタイトルのような特典映像つきの、まるで初版円盤のような愛蔵版です。
UK版のDVDには特典映像はありません。もしかして、もしかして、カドカワさんは日本版にはまるごと納めてくださる懐がおありなのかしら?
特典は、期待どおりモファティスがキュートでした。
この人達は、シャーロック1のころのオタクのかわいさに成功の余裕もただよわせ、それでいつつも自分を見失わない魅力があると思います。
19世紀版221Bセットの説明をしてくれるモファットさん自身、総製作/脚本家というタイトルが似合わないカジュアルで控えめな方ですが、彼が「芸術監督が~」と言っても、あ、アーウェルさんのことか、と素晴らしい仕事してるのにあまりにもカジュアルで、なんて日本語タイトルが似合わないんだ・・・と失礼にも思ってしまいました。
しかし舞台裏での俳優さん達のかっこよさよ!これが見られただけでヴィクトリアンの価値はあったかも
本編
全体がそうなんですが、原作ドイルの小説のイラスト、シドニー・パジェットに生き写しのような光景が3次元化されています。(でも私たちが見てるのは2次元というパラドックス)私は数多くは見てませんがヴィクトリアンなホームズの映像作品を意識したものもあったでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/25/3d439ad2dffafc15fb908383bb7c84cd.jpg)
その中でも特にびっくりしたのは、「MISS ME?」と帰って来たジム・モリアーティの顔が、久しぶりの男前アンドリュー・スコットだと言うのに、ライティング、編集などの成果か、イラスト版のハゲ頭おじさんの形相に見えるショットまであったんです~。大きいスクリーンに向かって心で「マジか?!」と叫んでしまいましたとも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/1d/d9463e24756f1d5492fa42fc5b4affeb.jpg)
こんな男前が
↓
こんなふうに見えた
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/f7/4fa29a4a818f43cb8581c9b1293f2f5a.png)
タイトルまでいつもの「シャーロック」のヴィクトリアンバージョン、というのが全体を語っていたと思います。ドイルの21世紀版を作った彼らの作品を2世紀遡ったらどうなる?という逆説を、「他人にやられるくらいなら自分達で作っちまおう」というそもそもの21世紀版誕生の動機と同じものを感じてしまいました。
しかし、そう思うのも最初の数十分。
最初に「シャーロック1-3」のこれまでのあらすじハイライトを見せられるのですが、そのわけがわかった時の驚きは「見た甲斐があったわ」と思わせるに十分でした。
「ヴィクトリアン・ホームズ」と「シャーロック」の間をマインドパレスというターディス(ドクター・フーに出て来るタイムマシン)に乗って行き来するのか?!
と思うも、7%の溶解液のせいだなんて・・・現実的だけど、ありうるけど、実は私は個人的に好みではない。殺人しちゃったシャーロックよりも、こっちの方が見たくない。
それともうひとつ事件の犯人のフェミニズム団体も、私にはちょっと・・・
シャーロックの、「理性的な理想像」vs「感情を持った人格」の相克はこの作品の底辺に流れるおもしろさだと思うのですが、あんまりそれ自体を扱っても辛いな~と感じます。チラチラ出て来るくらいが好きで、いくら溶解液のせいでもシャーロックの心の奥にしまわれてるはずの「あの女」とか「プロポーズした女」とか「本心知りつつ無下にした女」とかが一堂に会する図ってあまり趣味が良いとは・・・
彼女達は、みんな個人で生きてて、それぞれに強くて、彼女達だけのシャーロックとの関係があるのに、ああやって集団にするなんて。まだ冗談でやってくれた方が楽しめたと思うのに。
表面は「勝つべきではない戦争」と言いつつも、メアリーにも夫に去られた妻という役割をストーリー上させたのも私はなんだか。もちろんちゃんと
ジョン「メアリーを連れて行く」
メアリー「なんて?」
ジョン「メアリーに連れて行ってもらう」
メアリー「そうよね」
みたいな会話でフォローはしてあったのですけれどもね。
そういうフェミニズムとシャーロックみたいな本筋ではないところで抵抗がありましたが、まあ全体は、よくシャーロックのモリアーティ怖いと、兄ちゃんウザイと、強いジョン大好きをうまく2世紀間を行き来しながら織り上げましたね。シャーロックのDNA二重螺旋構造みたいに。
そしてお兄ちゃんの愛も、甘酸っぱかった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/c0/3a7c71504056d3aac0cc349398278cd0.jpg)
本日公開、さっそく劇場でこのポストカードをいただいて来ました。
私は本編だけは見ていたのですが、この劇場公開では、
●特典映像1:「脚本家スティーヴン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」(約6分)
●本編:『SHERLOCK/シャーロック 忌まわしき花嫁』(約93分)
●特典映像2:「シャーロック製作の裏側~主要キャスト・スタッフとともに」(約16分)
上映時間計:約115分
(公式より)
と、海外旅行のタイトルのような特典映像つきの、まるで初版円盤のような愛蔵版です。
UK版のDVDには特典映像はありません。もしかして、もしかして、カドカワさんは日本版にはまるごと納めてくださる懐がおありなのかしら?
特典は、期待どおりモファティスがキュートでした。
この人達は、シャーロック1のころのオタクのかわいさに成功の余裕もただよわせ、それでいつつも自分を見失わない魅力があると思います。
19世紀版221Bセットの説明をしてくれるモファットさん自身、総製作/脚本家というタイトルが似合わないカジュアルで控えめな方ですが、彼が「芸術監督が~」と言っても、あ、アーウェルさんのことか、と素晴らしい仕事してるのにあまりにもカジュアルで、なんて日本語タイトルが似合わないんだ・・・と失礼にも思ってしまいました。
しかし舞台裏での俳優さん達のかっこよさよ!これが見られただけでヴィクトリアンの価値はあったかも
本編
全体がそうなんですが、原作ドイルの小説のイラスト、シドニー・パジェットに生き写しのような光景が3次元化されています。(でも私たちが見てるのは2次元というパラドックス)私は数多くは見てませんがヴィクトリアンなホームズの映像作品を意識したものもあったでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/33/25/3d439ad2dffafc15fb908383bb7c84cd.jpg)
その中でも特にびっくりしたのは、「MISS ME?」と帰って来たジム・モリアーティの顔が、久しぶりの男前アンドリュー・スコットだと言うのに、ライティング、編集などの成果か、イラスト版のハゲ頭おじさんの形相に見えるショットまであったんです~。大きいスクリーンに向かって心で「マジか?!」と叫んでしまいましたとも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/1d/d9463e24756f1d5492fa42fc5b4affeb.jpg)
こんな男前が
↓
こんなふうに見えた
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タイトルまでいつもの「シャーロック」のヴィクトリアンバージョン、というのが全体を語っていたと思います。ドイルの21世紀版を作った彼らの作品を2世紀遡ったらどうなる?という逆説を、「他人にやられるくらいなら自分達で作っちまおう」というそもそもの21世紀版誕生の動機と同じものを感じてしまいました。
しかし、そう思うのも最初の数十分。
最初に「シャーロック1-3」のこれまでのあらすじハイライトを見せられるのですが、そのわけがわかった時の驚きは「見た甲斐があったわ」と思わせるに十分でした。
「ヴィクトリアン・ホームズ」と「シャーロック」の間をマインドパレスというターディス(ドクター・フーに出て来るタイムマシン)に乗って行き来するのか?!
と思うも、7%の溶解液のせいだなんて・・・現実的だけど、ありうるけど、実は私は個人的に好みではない。殺人しちゃったシャーロックよりも、こっちの方が見たくない。
それともうひとつ事件の犯人のフェミニズム団体も、私にはちょっと・・・
シャーロックの、「理性的な理想像」vs「感情を持った人格」の相克はこの作品の底辺に流れるおもしろさだと思うのですが、あんまりそれ自体を扱っても辛いな~と感じます。チラチラ出て来るくらいが好きで、いくら溶解液のせいでもシャーロックの心の奥にしまわれてるはずの「あの女」とか「プロポーズした女」とか「本心知りつつ無下にした女」とかが一堂に会する図ってあまり趣味が良いとは・・・
彼女達は、みんな個人で生きてて、それぞれに強くて、彼女達だけのシャーロックとの関係があるのに、ああやって集団にするなんて。まだ冗談でやってくれた方が楽しめたと思うのに。
表面は「勝つべきではない戦争」と言いつつも、メアリーにも夫に去られた妻という役割をストーリー上させたのも私はなんだか。もちろんちゃんと
ジョン「メアリーを連れて行く」
メアリー「なんて?」
ジョン「メアリーに連れて行ってもらう」
メアリー「そうよね」
みたいな会話でフォローはしてあったのですけれどもね。
そういうフェミニズムとシャーロックみたいな本筋ではないところで抵抗がありましたが、まあ全体は、よくシャーロックのモリアーティ怖いと、兄ちゃんウザイと、強いジョン大好きをうまく2世紀間を行き来しながら織り上げましたね。シャーロックのDNA二重螺旋構造みたいに。
そしてお兄ちゃんの愛も、甘酸っぱかった。