Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化(国際結婚の家族の話)、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男

2016-02-27 19:47:00 | ベン・ウィショー


先日はウィショーさん出演の「ブライトスター」日本版DVDを入手していい思いをしましたが、今度は「ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男」です。こちらの方は主役はタイトルのブライアンで、ローリング・ストーンズの創始者でありリーダーだったが享年27歳で謎の死をとげた男です。

ウィショーさんはストーンズのメンバーのひとりキース・リチャーズ。細い身体がロッカー役に似合っています。出番はストーンズのメンバーの中では1番でミックよりも多いです。

実は動画サイトでトレイラーを見た時、「60年代のセックス・ドラッグ・ロックンロールな生活の若者映画か・・・激しくてあまり今さら見たくないかも」と躊躇してたのです。

しかしちょっとDVDを検索したら、上の写真のように特典モリモリの版を見つけてしまい、小学生以来のふろく好きとしては黙っていられなくなったというw

果たして本編を見たら、思ってたような激しさはなく、私はストーンズのことそれほど知らなくてブライアンのこともミリ知ら状態で「金髪の派手な男」くらいに思っていたら、彼はとても穏やかな物腰と話し方でチャーミングな人だったのです。

たぶん私のストーンズのイメージはほぼミック・ジャガーの野性的なステージの姿のみだったからですね。そういえば90年代に東京ドームで見たことがあるんですよ。ビール飲みながら一緒に行った男の子ととっても盛り上がりました。当時独身ですから。うふふ。

監督はスティーヴン・ウーリーで「クライング・ゲーム」のプロデューサーで、本作が初監督。有名人の映画なのでキャスティングは無名の若い人にしたとのことです。有名人が有名人を演じては観客の意識がそれるからとのこと。(特典映像のインタビューより)

物語は60年代初期、ストーンズの売り出し時代から69年まで。
ブライアンはミック、キースとともにストーンズを結成したのですが、彼は当時ミックよりも派手な金髪で目立っていたのでした。

外見だけでなく売れて来てから生活も派手に金遣いも荒くなり、家を購入して庭やプールなどを改築するのに雇った建築家が、マネージャーの友人でフランクという建築家です。日本語時幕では「建築家」となってますが、英語ではbuilderで、どちらかというと大工の頭領です。でもわりとスマートなシャツとか着てサラリーマン風の風体。その普通の人が、魅力的なブライアンに仲間のように扱われているうちに、すっかり彼の子分のようにうまく飼いならされてしまうのがひとつの見どころです。

そしてフランク役は、「パレードへようこそ」でいい味だしてたダイを演じたパディ・コンシダインと言う人です。10年くらいの時差があるんだけど、年とった今の方がかっこいいです(個人的感想)。



ウィショーさん演じるキースは、ミックよりもブライアンの近くにいたみたいで、ブライアンは自分の彼女と寝るようにキースに執拗に勧め、後で怒るという。キース大迷惑。家の中でのご乱交なのか単に親しい仲間だからゆるいのか、半裸でフラフラしているシーンにキース君もでてきます。ブライアンと女の子達がダラダラしている姿にはよくボカシが現れるのですが、キース君にもボカシが?!ええー?!そのボカシの向こう側には・・・

日本版の特典に目をくれずに、英語版を買うべきだった!

それはともかく、日本版で字幕があるせいで特典の監督インタビューも楽に隅々までよくわかりました。ブライアンは本編を見たら、やることは強引で派手なんだけれども、話し方はいつも穏やかで彼にはなかなか逆らえないカリスマ性を感じました。ところが特典を見てわかったことは、彼はIQが135もあったということ。ただのかわいい男の子ではなかった。それなのに進学校であるグラマースクールで14歳の女子学生を妊娠させて退学となり、その後はゴロゴロと文字通り転がる人生を送ります。

なぜ彼はストーンズが売れてからもドラッグから抜けられず音楽活動に穴をあけミックやキースから愛想を尽かされたのか・・・

彼の語録で監督が気になった台詞が映画の最後にも出て来ます。
英語字幕ないので間違いあるかもですけども、


The thing is, happiness is, I suppose .... is boring.
幸せというものは・・・ 退屈なんだ。


ストーンズを辞めさせられて、プレスには「音楽性の違いから脱退する」と発表したブライアン。60年代の終わりにドラッグ絡みの謎の死をとげたことでカリスマのまま人々に覚えられ、生きていたら落ちぶれていたかもしれません。当時ローリング・ストーンズはまだ彼がリーダーとみなされていたため、彼なしではバンドは保たないと囁かれるも、その後ストーンズは40年以上もスターとして活躍しています。

というようなことが彼の死後映画の終わりに語られます。
いい映画だったな。

英語版、アメリカ版は安価で出回っているのですが、それだと私のPCでは見られずお茶の間のTVで再生するのはなんとも抵抗が。イギリス版だと高く、しかもイギリスから日本には発送しないという・・・