Sofia and Freya @goo

イギリス映画&ドラマ、英語と異文化、昔いたファッション業界のことなど雑多なほぼ日記

アウトランダー シーズン1

2016-05-06 14:51:00 | その他の映画・ドラマ・舞台
「アウトランダー」シーズン1全16エピを見終えました。
今、シーズン2が始まっていますので、どうしても2のイメージが目に入るのですが、ハイランドの様子と随分違って別のドラマのようだったと思った訳がラストを見て分かりました!

ネタバレはなるべくしないよう書きたいと思います。


あらすじ:

クレアは、1945年夫のフランクとスコットランド旅行中、一人で1743年にタイムスリップして200年前に来てしまう。イングランドにスコットランドは吸収され連合王国となっていたがクレアはハイランドにいるイングランド人として怪しまれ、夫の祖先でそっくりなイングランド軍将校ランダルを敵に回す。そして、タイムスリップした先の領主の甥ジェイミーもまた、ランダルに追われるお尋ね者だった。。。。


感想:

スコットランド在住の友人によれば全編スコットランドでロケされたとのこと、暗い岩でできてそうな家や城のあるハイランドに行きたくなってしまいました!妖精が住むどころかタイムスリップしてしまうほどに不思議の国の、無骨者の象徴スコットランド訛りも、エピソード5あたりからかわいく聞こえたほどです。

しかし、実はエピソード3くらいまで、主人公クレアになかなかなじめず「おもしろい!」とは思えませんでした。彼女は第二次大戦で従軍看護師として前線で勤めていた女性。そしてシリーズ初めの頃はクレアのモノローグが多く、理性的で強い内面と、クルクルのブルネットを無造作にまとめた素顔風のノーブルなんだか田舎っぽいのかよくわからない外見がどうも一致しなくて、主人公のキャラにピンと来ませんでした。

美しいレディで通っているんですが、タイムスリップ前に旅先で夫といちゃいちゃするのも似合ってないと思えて、それはなぜかと言えば今思うと夫フランクも話の長い学者で全然セクシーに見えなかったんですね。その真面目そうな二人のいちゃいちゃシーンについ引いてしまいました。クレア役のカトリーナ・バルフさんは細くて長い首がめちゃ時代劇に似合うモデル体型のきれいな方なんですが。

ですので、そんな主人公が、18世紀のスコットランドで男社会で正面から渡り歩こうと奮闘する様子にも反感を持ってしまって・・・それがセクシー美人や跳ねっ返りの少女風だったらストンと落ちたかもしれないけど、彼女は今までに私が見たことないタイプだったんです。

それと彼女は1940年代の人なのに男と対等に振る舞うので、現代人ならともかく、それアリ?戦後女は強くなったからアリ?頭がいいのに昔のスコットランドでそれ言っちゃう?とハラハラしちゃいました。

主人公への感情に転機が訪れたのは、ジェイミーのモノローグが現れたエピ5か6あたりの頃でした。夫フランクの姿は消え、大きな体に小動物の瞳を持ったジェイミーを見ていたい気持ちわかる!わかるわ!!といきなり主人公へ感情移入できるように♪ そこからは次のエピへ行くスピードに加速がつきました。

しかし澄んだ瞳のジェイミーだけが見られたらこちらはいいのに、そうは問屋が卸さないドラマシリーズ。つまらないフランクと違って、同じ顔(俳優さんは同じトビアス・メンジーズ)のご先祖様18世紀のランダルはそのポーカーフェイスが恐ろしいのなんの・・・ドキドキときめきシーンもじっくり長く反芻する見せ方のアウトランダーですが、ランダルの悪魔の手もじっくりすぎるくらい反芻するので、怖くなったらもう大きいスクリーンで見るのは耐えられないので、お布団にもぐってスマホの小さいスクリーンを片目で見て過ごしました。

このドラマが新鮮なのは、ハイランド(スコットランドの中でもケルト人の住む閉ざされた文化圏)の俗に野蛮と言われる人たちのことをクレアの目を通して知り、逆にイングランド人が気取った野蛮人に見えることでした。

イングランド人は軍人しか出てこなくて、彼らは傭兵なのでそんなに仕事熱心じゃない。方やスコットランド軍は、制度により動員されたハイランドを含むスコットランド人のみだそうで、そこは氏族間の絆や愛国心があるはずです。なーんて、これは今調べて今思ったことです!


さ~てシリーズ1が終わった段階で、気になるのは ー

・クレアとジェイミーの宿敵ランダルの子孫フランクと未来のクレアはなぜ結婚したのか。恐怖のトライアングルどころかスクエア。

・ジェイミーの叔父マッケンジー領主の弟にドゥーガルのいうのがいて、この人が何かと予測のできない動きをするので次はどうでしょう。

・シリーズ2の原作小説の日本語タイトルがネタバレっぽくて嫌なので、これ以上余計な情報を見ないように調べるのもやめておきます。

・ソニー公式日本語サイトをさっき初めて発見したのですが、3月24日にジェイミー役のサム・ヒューアンさんがシリーズ2のプロモーションのため来日イベントをしていたことを知り、ショック!!遅かった~~タイムスリップしたい。


では最後に、私が去年スコットランドで撮った写真を・・・
また行きたいなぁ、ハイランド。





ジェームズ5世とクイーン・メアリー住んだリンリスゴー宮殿


タータンキルトも欲しいなあ。




・・・ではシーズン2!


my brother Tom

2016-05-04 20:43:00 | ベン・ウィショー


ウィショーさんのインディー映画「my borother Tom」(2001)のDVDを買いました。日本版は出てないので英語のみですが、台詞が少ないので私たちノンネイティヴにやさしい作品です(笑)。

実はちょっとズルして見たことがあったのですが、落ち着いて円盤で見たせいかただ単に記憶力の問題か、「あれ?こんな話だったっけ?」でした・・・

結末などの重要なネタバレなしに行きます。


あらすじ:

ジェシカ(jenna Harrison)は自宅の隣人であり学校の先生でもある大人に性的虐待を受けた。近所の同年代の男子学生たちからいじめられていたトムに会い、森の中の秘密の場所を共有して友達となる。裸になって子供のように無邪気に遊ぶ二人は、ふた子のような絆で惹かれあう。ある日トムの後をこっそりつけて自宅の様子を覗いたジェシカは、トムも実の父親に性的虐待を受けていたことを知ってしまい、覗いていたことをトムに知られてしまう・・・



感想:

あらすじは物語の前半のみですが、読んだ通り、辛さ300%。
ジェシカもトムも多分15、6歳と思われますが、内向的で平均的な子達よりも幼い感じ。それだから大人の被害者に選ばれてしまったのでしょうね。ジェシカはこれくらいの年齢だったらオシャレや男の子や、さもなかったら進学とかに興味があると思うのですけど、ハリネズミの飼育シーンから始まるんです!

ジェシカ役の役者さんはとっても美人で、撮影の頃は19歳くらいかと思われますけど若い役なので素顔っぽい外見だけどそれがかえって魅力的、制服やジャージを着ていてもピチピチの肉体でした。一方、トム役のウィショーさんはこの頃今よりいっそう細くて、もうそれだけでいじめられてる感が全身から滲み出てしまっていました。それで外見で言ったら二卵性にしても似てなさすぎでしょ、といった二人なんですが、家にも学校にも行き場のない二人が暗い森の中の巣のようなところで向き合って見つめ合うシーンは、傷ついた動物たちか小さな子供のようです。

トムは、行動がかなりエキセントリックで、後半のストーリーも息が抜けません。

・・・とこのような痛い話なので、社会問題に興味がある人以外は、やはりキャスト&クルーの作ったキャラ二人を見守るために見続ける・・・ということになるでしょう。

そういう意味で、ある意味とってもカッコ悪くてイケてないキャラを、目をそらしたいのに、そらさせてくれないように演じるベン・ウィショーの役柄は、この映画で実証されて、後に「パフューム」「Criminal Justice」「ホロウ・クラウン」へと受け継がれていくのだと思います。

いけないものを見てしまっている、という背徳感のような感情を味わうなんてマゾなのかサドなのかわからない行為ですが、初期のベン・ウィショーにはそういう吸引力があったと思います。

ジェシカの方の女優さんはその後どうなったのか出演作を調べたら、新米モースのパイロットエピに出ていました。
・・・しかし、どの役だったのか思い出せません・・・



The Crucible VOGUE April issue

2016-05-03 00:00:00 | ベン・ウィショー
US VOGUEに掲載されたウィショーさんとシアーシャちゃんのページを紙の雑誌で見ました。ネットで見るのと違ってなぜか紙媒体だともっと広く一般になった気がするのはなぜでしょう。ちょっと情報としては古くなりましたけど、訳してみました。ウェブ版はこちら → 



ベン・ウィショーとシアーシャ・ローナンが敵同士でありかつては愛し合った二人を演じる、イーヴォ・ヴァン・ホヴによる「るつぼ」のブロードウェイリバイバル。

もしも天の啓示のような、かつ脈も早まるような舞台作品が見たいと思っていて、でもそんなのは全部見尽くしたと思っていたら、そんなあなたにぴったりなのがベルギー出身の舞台監督イーヴォ・ヴァン・ホーヴ。

圧倒的な舞台だったアーサー・ミラーの「橋からの眺め」に引き続き、ヴァン・ホーヴが「るつぼ」で今月ブロードウェイに帰ってくる。ミラーのちょっと謎に包まれた1950年代の共産主義者狩りを寓話化した作品は、設定を実際にセイラムの魔女狩りが起きた1690年代としていた。音楽はフィリップ・グラス、ベン・ウィショーと本作で舞台デビューを果たすシアーシャ・ローナンを初めとする超一流キャストによる。

とある日の早いリハーサル後に、ウィショーとローナンに会えた。おそらく50年代のBBCニュース番組ドラマ「ジ・アワー」が最も知られる、この英国人俳優(35歳)は「スペクター」「リリーのすべて」やテレビシリーズ「London Spy」で刺激的な幅広い役を見せてくれた。しかし同世代の他のイギリス俳優同様、ウィショーも舞台出身で、トレヴァー・ナンの2004年オールドヴィクでの「ハムレット」で華々しくデビュー。また最近ではウエストエンドでの「Peter and Alice」でデーム・ジュデイ・デンチと共演している。偶然だが、この傷を負った真の勇者ジョン・プロクターを彼は15歳の時に学校で演じていた。「学校の生徒にも理解出来る劇ではある。閉じた世界での話だから。そうじゃない?」と役づくりの農夫ヒゲを見せびらかしながらウィショー。「それと集団いじめをする人間とヒステリーのことだし。」この役のタイプには反対の細身でありながら ーブロードウェイで1番最近のプロクターはリーアム・ニーソンだったー ヴァン・ホーヴはむしろこの役に多面性を持たせる役者の能力に着目した:「この男の心には、肉体には、何か隠された世界があると感じるだろう。そして彼がどこに向かうのかが全くわからないんだ。」

嘘の告発で犠牲者を出す復讐に駆られた17歳の少女アビゲイル・ウィリアムズを演じるローナンは、オスカーにノミネートされた意欲作「つぐない」の、同じく嘘の告発で犠牲者を出す復讐に駆られた13歳のブリオニー役で切り開いた境地を再訪することになる。「ブルックリン」での魅惑的な(そしてまたオスカー候補となった)二人の求婚者の間で揺れるアイルランド移民の役から離れ、ローナン(21歳)はステージにて必要な「責任と持久力」に対しては前向きだ。アビゲイルが登場する時、彼女が召使いをしていたプロクター家から追い出されて7ヶ月後で、それは妻のエリザベス(ソフィー・オコネド)が二人の不倫に気づいたためだった。「彼女が世界について知っていることはすべて彼に教わったの。それはかつての彼女にとっては自分が大切だと初めて感じることができたの。」とローナン。「そして彼女は自分が強いと感じたくて、彼と体験したのと同じやり方をとる必要があったんだと思う。」

不義、魔術、集団ヒステリー:演劇を時代を超えたもの、神秘的な瞬間に感じさせる才能を持つヴァン・ホーヴは、観客がミラーの作った素材へと至るあらゆる道を発見するだろうと信じている:「この劇は多分、マッカーシー時代から解放された今、より意味があると思う。もっと自分達のことが見えてしまう。僕達が認めたいと思っている以上に。」

吉野朔実訃報で思い出したこと

2016-05-02 16:29:00 | 近況
先ほど漫画家の吉野朔実さんの訃報を知りました。私は作品を読んでないのですが、絵が綺麗だったと覚えていたので代表作のひとつ「少年は荒野をめざす」のあらすじを調べて、久しぶりに自分の少女時代を思い出しました。

主人公は、病弱で亡くなった兄の代わりを務めようとしたために自分が男の子だと思いこんでいた少女が、思春期になっても女性であることに抵抗しー

という青春物語なのですが、この「自分の中の女性を否定」という現象はあの時代特有のものだったのかしら・・・?と考え込んでしまったからです。吉野先生は私よりも少しお姉さんですが同世代。そして人気連載されたということは読者の支持を得たということですよね。

子供の頃は、まあ「女の子だからお行儀良く」と言われても「なんで『女の子』が理由になるのか?」と疑問に思う程度の違和感でした。だって私には白雪姫やシンデレラは単なるお話でしかなかったけれど、「長くつ下のピッピ」の強くてやりたい放題の女の子に憧れた子供でしたから。でもやはり漫画の主人公と同じく思春期になって、自分が女になるのか、と思い知らされるとまったく嬉しくもなんともなかったのを覚えています。

だってその頃まわりにいた大人の女性といえば、お母さんと友達のお母さん、それから親戚のお姉さん達、学校の先生しかいませんでした。

私は地方都市育ちの田舎者だからだと思うんですが、親戚の集まりで親についていくと、男性陣が宴会している時に、女性は台所で働いていて、私はお料理の入った器を運ぶお手伝いとかしてました。別に飲んでおっさん達に混じりたかったわけでもないけど、子供心になんか不公平じゃないか?と思ったものでした。

そして母が親戚の女性と話してるのを何気なく聞いてると、いとこの綺麗なお姉さんのことを「〇〇は化粧が濃いね。ご主人がああいうのが好きなのかね。」なんて話をしてて、「着飾る女性は同性に批難される」ということを子供でも悟ったんです。

台所で男のために働く女にも、綺麗にして嫌われる女にもどっちにもなりたくなかったけど、田舎には他になりたい女性のロールモデルがなかったんですね。

14歳くらいで、マンガとか文学みたいなものとか外国の音楽とかを知って、自分の現実以外の世界を知ってからはドドドーーーーッとそっちの世界に没入して気がついたら今に至るので、そこでは素敵な女性もたくさんいて、いつの間にか「大人の女性になるのが嫌」は忘れたわけです。

自分が大人になるなんて思いつきもしなかった子供時代が終わって、オバサンになるか水商売のオネエさんになるかの究極の選択しか思いつかない狭い世界に生きてた思春期前半の13歳くらいまでは今考えると不憫なくらいです。

だから、ロールモデルが行きわたってなかったあの時代は女になりたくない女の子というのは多くて「少年は荒野をめざす」に共感する子も多かったんじゃないかな・・・

時代は変わって今は女性は綺麗で強くて好きなことして(日本の女性の地位は世界でもダントツ低いらしいですが)、大人の女性になりたくない女の子はいなくなったのでしょうか。





作家と作品のファンの方には、見当違いな文で申し訳ありません。
あの時代の空気を絵からも感じて(オリーブファッションだなあ!とか)、完全に個人的な思いが頭に廻りました。