5月15日に静養先のスペインで誤嚥性肺炎で逝去されたとテレビで聞いて、あー、
もう一度と願っていた日下”シャイロック”に出会えないことを噛みしめた。
シェイクスピアのベニスの商人は、以前から文章でも、舞台も観劇していたが、
ポーシャに拍手喝采しこそすれ、シャイロックの心情に心つかまれることは、日下シャイロックの舞台までは無かった。
劇団四季の、ミュージカルもストレイトプレイもそれなりにリピート観劇している私ですが、
日下武史の演技は、”何故そう行動しなければならなかったのか”という本質の心情が、表面の行動以外ににじみ出る演技で、舞台の醍醐味を味合わせていただきました。
劇団四季の創立40周年記念で1992年の初演した”思い出を売る男”、そして2014年上演の「思い出を売る男」の乞食が最後の舞台。浅利慶太氏が演劇に込める気持ちを込めて建立した自由劇場で、劇団四季にとって記念碑的な恩師加藤道夫氏の演目が最後の舞台だったんだと感傷的に。
声優として吹き込んだCDを、脳内変換して、鹿鳴館の影山悠敏伯爵などの演技に思い馳せることと、
演技指導をした後輩たちが、ダメ出しに応えて、舞台は楽しいなと思わせてレくれる俳優に育つことを期待して。
合掌