どのような状況を思い描きますか?
両親を含めた75歳以上の超高齢者の姿から考えたことです。
十分な食事量、調理も高齢者の状態を反映するように努力した献立が提供されている。
食は細くなり
たくさん口に入れると、吐いてしまう。
母は、年を重ねるにつれ風邪をひきやすくなり、ひと冬に何度も風邪をひくようになった。
そのたびに、「食べれなくなったらおしまいだ」と言いながら食べていたが、
亡くなった年は、自分で口に入れた食事を、口からあふれさせていたのを思い出す。
ほかの高齢者にも遭遇した場面であり、
食道の蠕動運動、粘液分泌などの協調動作に失調をきたし始めたのか?
食を細くして対応している高齢者は、
生存に必要なエネルギー摂取は、マイナスバランスになり、体重低下をきたす。
血液検査で、電解質バランスが悪くなり、電解質補正が日常茶飯事のことになっている。
細胞が生き続ける仕事をするために、電解質のバランスは必須なのに、
自己の体では、補正ができなくなってきているということは、
生命の終焉が近いということなのかと、臨床経験から悟り始めた。
退院まじかになり、帰宅に備えて、運動量を増やすと、体調不良になる高齢者も多い。
ギリギリの体力で治療を続け、無事終了しても、
体力の回復には程遠い状態。
帰宅に備えた体力作りは、体力の消耗に他ならないのかもしれない。
入院期間に制限がある、現状の保険制度では、
帰宅して、自力の経口摂取で生き延びる食事量がとれるまでの
医療リハビリは認められそうにもない現状がある。
食が細くなり、この間もでは生き延びられない。死もやむを得ない!という、
うしろめたい憎悪感とは無縁な、社会的了解を形成してほしい。