はなれ瞽女映画ポスター
1977年公開 水上勉原作 篠田正浩監督 出演 岩下志麻、奈良岡朋子、樹木希林、原田芳雄 他
1977年公開の「はなれ瞽女おりん」は名作である。この年の第一回日本アカデミー賞を冠している。明治、大正の日本の原風景を撮りたかったと、篠田正浩監督は書いていて、映画のロケ地は全国にまたがるが、おりんの在所が新潟高田であるゆえ、新潟県でのロケ地が多い。しかし私は、この映画を20回以上(映画館プラスDVDで)は見ているのだが、ロケ地が特定できる場所は、善光寺のシーンだけである。(山門が映り、扁額に善光寺とある)そこで改めて、ロケ地の検証をしてみた。付け加えるならば、上越の名峰、頸城三山の映るシーンが欲しかったと思う。意図的に場所の特定を避けていたとするならば、なぜ善光寺は、特定したのか、不満が残った。映画では善光寺での再会であるが、水上の原作では、おりんと平太郎が再会するのは若狭三方の片手観音堂である。
この映画に名優、加藤嘉が5分ほど出演しているのが嬉しいが、各所に「砂の器」(1974年作)の味付けを感じるのは私だけであろうか。
直江津の三、八朝市が開催される通り近くに、ライオン像のある建物がある。この建物は海が近く、強風のため大火が多い直江津にあって、明治時代の建築物として残った数少ない、文化財、館である。上越市は昨年から保存のための工事をし、今年の春、再オープンした。
(映画・はなれ瞽女おりんから)
映画では長岡警察署玄関ロビーとして使われている。帽子をかぶった刑事役の桑山正一
2019年11月16日撮影
この建物は、1977年公開の「はなれ瞽女おりん」の撮影に使用されている。桑山正一扮する長岡警察署今西万三郎刑事が、聞き込みから警察署に戻り、小林薫扮する憲兵中尉・袴田虎三と会う場面に使用された。玄関のドアや、窓のサッシは変えられたが、上部の半円形の窓は当時のままのようだ。
駐車場は船見公園。開館日4月〜11月の土、日、祭日 10時〜17時
https://joetsukankonavi.jp/spot.php?id=380
ライオン像のある館は上記アドレスで
さらに直江津でのロケ地はもう一箇所、五智国分寺境内と、山門
五智国分寺山門・安国山とある
http://www5c.biglobe.ne.jp/~etigo/
上記が五智国分寺のHP
(映画・はなれ瞽女おりんから)
おりんこと、柿崎りん。鶴川仙蔵 こと岩渕平太郎。瞽女をやめ、下駄屋専業となり、初めての縁日での商いの場面。(山門左側)
(映画・はなれ瞽女おりんから)
安倍徹扮する別所彦三郎(富山の薬売)山門右側
(映画・はなれ瞽女おりんから)
境内参道と縁日風景 背景に国分寺の三重塔の基部が映っている。
次回は高田のロケ地について