リチャード・ウィッテル著、文藝春秋刊
以前読んだ「ステルス戦闘機と軍用UAV」でも無人航空機の種類や性能が述べられていましたが、本書は、「プレデター」という名称で知られた無人偵察機の開発までの経緯と、それが攻撃用のヘルファイアを装備し、攻撃可能な無人航空機に転用されたこと。そして、いずれの機体も、素晴らしい能力を持ち、強力な武器として認知されるまでを著しています。
イスラエル人の天才的な航空エンジニアが、自らの能力を活かすため、アメリカに移住し、無人機の開発にのめり込みます。そのエンジニアは、優秀であるばかりでなく、模型飛行機の作成と飛行を趣味としており、その知見を生かして、長い苦闘の果てに「プレデター」の最も重要な特徴である長距離飛行能力を持たせることに成功します。そして軍用機としての採用に見込みが立ちますが、様々な要因によって会社を失う。その際、無人航空機の可能性を予見した起業家が、エンジニアが所有する資産と技術を買収し、新たな無人航空機を開発します。また、この起業家は、それに先立ち、無人飛行に不可欠なGPSによる飛行管制システムを確立していました、一方、この兵器を調達する軍やCIAでは、それぞれの事情や世界情勢によって、次第に無人航空機による偵察任務を有用であるとする人々が現れます。そして・・・。
本書の序盤では、上記のように、「プレデター」が誕生するに不可欠であった天才エンジニア、飛行管制の為のGPSの活用、エンジニアの技術を生かして製品化し売り込んだ起業家の3つの要因について述べた上で、CIAとアメリカの軍事組織内の、無人航空機に関する歴史や、世界情勢のと関係で、それぞれの政策の変遷を述べ、それぞれのキープレイヤーの苦闘を描いています。よって、単なる技術的な解説ではなく、著者の視点で再構成された人間ドラマです。
この「人間ドラマ」の再構成の背後には、膨大な取材と検証があるはずで、執筆期間が5年間というのも頷けます。解説を佐藤優氏が書いていますが、無人航空機の価値を簡潔かつ見事に提案しており、同氏の著作を読みたくなりました。
------------------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/RQ-1_プレデター
------------------------------------------------------
評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを始めました => カメラまかせ 成り行きまかせ
以前読んだ「ステルス戦闘機と軍用UAV」でも無人航空機の種類や性能が述べられていましたが、本書は、「プレデター」という名称で知られた無人偵察機の開発までの経緯と、それが攻撃用のヘルファイアを装備し、攻撃可能な無人航空機に転用されたこと。そして、いずれの機体も、素晴らしい能力を持ち、強力な武器として認知されるまでを著しています。
イスラエル人の天才的な航空エンジニアが、自らの能力を活かすため、アメリカに移住し、無人機の開発にのめり込みます。そのエンジニアは、優秀であるばかりでなく、模型飛行機の作成と飛行を趣味としており、その知見を生かして、長い苦闘の果てに「プレデター」の最も重要な特徴である長距離飛行能力を持たせることに成功します。そして軍用機としての採用に見込みが立ちますが、様々な要因によって会社を失う。その際、無人航空機の可能性を予見した起業家が、エンジニアが所有する資産と技術を買収し、新たな無人航空機を開発します。また、この起業家は、それに先立ち、無人飛行に不可欠なGPSによる飛行管制システムを確立していました、一方、この兵器を調達する軍やCIAでは、それぞれの事情や世界情勢によって、次第に無人航空機による偵察任務を有用であるとする人々が現れます。そして・・・。
本書の序盤では、上記のように、「プレデター」が誕生するに不可欠であった天才エンジニア、飛行管制の為のGPSの活用、エンジニアの技術を生かして製品化し売り込んだ起業家の3つの要因について述べた上で、CIAとアメリカの軍事組織内の、無人航空機に関する歴史や、世界情勢のと関係で、それぞれの政策の変遷を述べ、それぞれのキープレイヤーの苦闘を描いています。よって、単なる技術的な解説ではなく、著者の視点で再構成された人間ドラマです。
この「人間ドラマ」の再構成の背後には、膨大な取材と検証があるはずで、執筆期間が5年間というのも頷けます。解説を佐藤優氏が書いていますが、無人航空機の価値を簡潔かつ見事に提案しており、同氏の著作を読みたくなりました。
------------------------------------------------------
URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/RQ-1_プレデター
------------------------------------------------------
評価は5です。
※壁紙専用の別ブログを始めました => カメラまかせ 成り行きまかせ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます