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ジョン・ケネス・ガルブレイス著、ダイヤモンド社刊
日本人にとってバブルの崩壊は記憶に新しいものの、世界の経済史では繰り返される現象のようです。
本書は、その実例を挙げて共通する原因を追及しています。
その原因を、市場の不完全性と人間の幾つかの愚かな性質に求めています。
原因の一つが、レバレッジ(てこ)であり、バブルが発生する度に形を変えて出現し、今までにない新しい手法、技術であるとして持て囃され、信じ込んでしまう。
その結果、ユーフォリア(過度な幸福感、陶酔感)を抱いた人々が、欲望とうぬぼれ、そして思い込みに操られて、無謀な投機のスパイラルに絡め取られて、実体経済とかけ離れたら活況にのめり込んでしまう。
やがて、突然の破綻が訪れ、個人も社会も甚大な損失を被ってしまう。
そのような過程が、本書で繰り返し紹介されています。
そして、市場の欠陥を認めず、ユーフォリアに取り付かれて、無謀な自分の行動を反省することなく、国家の政策、レバレッジの考案者、初期の成功者などをスケープゴートに仕立てて反省することがない。
以上の様な無様な愚行を赤裸々に論じています。
悪意を以て陥れる詐欺的な行為は当然裁かれるべきですが、儲け話を安易に信じて虎の子のお金を注ぎ込んでしまうのも考え物です。
40年以上前に面識のあった一人暮らしの高齢者は、株で生計を立てていると聞きました。
売買は証券会社の営業を通して行っていたそうですが、その人は、営業の言うことは絶対に鵜呑みにしないで、自分で判断して売買していたそうです。
「あいつらの都合で遣っていたら儲からないからね」と行っていました。つまり、営業は、顧客の利益よりも会社の利益を優先するからなのだそうです。
こうしたことから、儲け話の詐欺にあった人の場合も、儲け話につられて罠に落ちる場合があるように思いますが、どうなのでしょうか。
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○ジョン・ケネス・ガルブレイス ○バブル経済
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