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渡辺みどり著、中公文庫刊
満州国を作った関東軍が主導して満洲国皇帝、愛新覚羅溥儀の弟、愛新覚羅溥傑との政略結婚が行われた。
慎重な検討を経て、溥傑本人の意向を確認して選ばれた女性が、本書の主人公、愛新覚羅浩(嵯峨浩)であった。
幸いなことに、結婚した二人は相性が良く愛情を育み子をなした。
しかし、日本国の敗戦により満州国が崩壊し、皇弟の溥傑と浩は離ればなれになり、特に浩は次女と共に地獄の様な逃避行と恐ろしい監禁生活に追い込まれた。
何年もの苦難の末に日本に帰国して実家に身を寄せ、それから・・・・。
本書は、主人公とその家族が辿った信じられない厳しい歴史の大きなうねりの中で奇跡的に生き残り、辿った足跡を丹念に辿っています。
女性ならではの視点で描かれていることが本書の特徴と思います。
男性では、細やかな心の動きなどを描くことは難しかったかもしれません。
全く知らなかった昭和史の一面を知ることが出来ました。
良書と思います。
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○愛新覚羅浩 ○愛新覚羅溥傑 ○渡辺みどり
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評価は4です。
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