
佐藤究著、角川書店刊
本作は、アステカ文明の神話に登場する神の名前「テスカトリポカ」をタイトル用いている。(下記リンク一つ目)
南米の麻薬カルテルの運営者の一人が、敵対勢力の襲撃をなんとか逃げ延びて東南アジアに潜伏し、捲土重来を図る。
たまたま出会った日本人と、莫大な利益が見込める違法ビジネスを行うために日本に渡り、日本で仲間を集め組織を作り上げる。
中国と東南アジアのマフィアと手を組んだ大がかりな犯罪だ。
そして・・・。
アステカの神話を取り入れた独自の世界は、異様でおどろおどろしいが、次第に引き込まれて、説得力を感じた。
また、主役の一人である、メキシコ人と日本人の間に生まれた青年の設定が素晴らしく、作品の魅力を生み出している。
この青年がいなければ、後味の悪い犯罪小説になってしまうと感じる。
新しい才能に出会えて良かったと感じた一冊でした。
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○テスカトリポカ ○佐藤究
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評価は5です。
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