吉田修一著、読売新聞朝刊連載
夫婦が惨殺された部屋の壁に、被害者の血で「怒」と書かれており、その犯人の行方がようとして知れない。警察の賢明の捜索にもかかわらず。その一方で、何の関係もない三カ所で暮らす人達に出会った三人の男。それぞれが周囲の人々と交流しつつ正体を明かさない(明かせない)。犯人は、その三人のいずれかです。それぞれの物語が静かに進行する一方で、犯人の山神の出自らしきものが分かってくる。何とも不気味な伝承です。中盤から終盤の息が詰まるような緊張感は一種独特の雰囲気を醸しています。
吉田修一さんの作品を初めて読みましたが、淡々とした日常の中にある危うさを描いて秀逸でした。そして人間の底の知れない闇の一端を描きながら、一筋の光を忘れない。そこに救いを感じました。人と人の関係性の大切さと危うさをも描いており、読み終わって、何とも言えない余韻を感じました。
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URL => http://ja.wikipedia.org/wiki/吉田修一
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評価は4です。
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夫婦が惨殺された部屋の壁に、被害者の血で「怒」と書かれており、その犯人の行方がようとして知れない。警察の賢明の捜索にもかかわらず。その一方で、何の関係もない三カ所で暮らす人達に出会った三人の男。それぞれが周囲の人々と交流しつつ正体を明かさない(明かせない)。犯人は、その三人のいずれかです。それぞれの物語が静かに進行する一方で、犯人の山神の出自らしきものが分かってくる。何とも不気味な伝承です。中盤から終盤の息が詰まるような緊張感は一種独特の雰囲気を醸しています。
吉田修一さんの作品を初めて読みましたが、淡々とした日常の中にある危うさを描いて秀逸でした。そして人間の底の知れない闇の一端を描きながら、一筋の光を忘れない。そこに救いを感じました。人と人の関係性の大切さと危うさをも描いており、読み終わって、何とも言えない余韻を感じました。
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