
野田敬生著、ちくま新書刊
世の人々は、それぞれに独自の考え方や意見を持つ一方で、マスコミの報道などの影響で、かなり共通した認識を共有していることもあると感じます。
社会生活を通じて様々な人に出会いますが、何故そのような言動を成すのか理解出来ない人がいます。
私の場合、何十年も接して居ながら最後まで理解出来にくい、あるいは、理解するのが困難と感じた人物は二人です。
二人は全く違ったキャラクタの持ち主ですが、ある意図から、特定の人物の悪評をさり気なく世間に浸透させることが共通していました。
一見すると、そのような下劣な事をする人物とは思えない雰囲気と外見を持っているのですが、その行為は徹底していました。
噂話を聞く時は話半分に聞いたとしても、その中には幾分かの真実が含まれると感じてしまうので、これが結構効果があるようです。
ほぼ40年近くを、定点観測していてようやく気付いたことでした。
ワイドショーやユーチューブを視聴していると、根拠を示さないで、類型的な主張を垂れ流す出演者を多く見掛けます。
そのような人物は、何度も見聞きしている内に、根拠無しでの主張であったり、特定の意図の元に発言していることが分かって来ます。
本書では、相手側の世論や認知、認識、解釈をある意図の下に誘導する技法を教科書的に説明しています。
読み物としては面白みに欠けますが、歴史上の実例を挙げていて、上手く行った時の利益(被害)の大きさに驚きます。
私は、麻生幾さんの「外事警察」のようなサスペンス系のスパイものを好むので、このような、一見、私たちの生活には無縁と思えることが、昔から当たり前のように行われていることに興味を持っています。
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○野田敬生
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